研究成果

反強磁性体における磁気振動モードの結合を発見 -マグノンによる新しい量子情報処理技術の開拓に向けて-


2020年07月08日


     塩田陽一 化学研究所助教、石橋未央 同博士課程学生、森山貴広 同准教授、小野輝男 同教授らの研究グループは、谷口知大 産業技術総合研究所主任研究員と共同で、二つの磁石の磁極が逆方向に結合した人工反強磁性体において、反強磁性体特有の二つの磁気振動モード(音響モード・光学モード)が、特定の条件下において反発し合う事を発見しました。

     反発し合う事は、それぞれの振動モードが結合しエネルギーのやり取りをしていることを意味します。二つの異なる準粒子の結合はハイブリッド量子系と呼ばれ、これまではフォトンーマグノン結合、フォノンーマグノン結合などが主に研究されてきました。今回発見した磁気の準粒子であるマグノン同士の結合(マグノンーマグノン結合)は、量子情報処理を目指して研究が進められているハイブリッド量子系に新しい視点を与え、マグノンを利用した新たな情報処理技術の開拓につながることが期待されます。

     本研究成果は、2020年7月2日に、国際学術誌「Physical Review Letters」のオンライン版に掲載されました。

    図:(a)-(c) φk=0°, 45°, 90°におけるスピン波共鳴スペクトル

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1103/physrevlett.125.017203

    Yoichi Shiota, Tomohiro Taniguchi, Mio Ishibashi, Takahiro Moriyama, and Teruo Ono (2020). Tunable Magnon-Magnon Coupling Mediated by Dynamic Dipolar Interaction in Synthetic Antiferromagnets. Physical Review Letters, 125(1):017203.


    反強磁性体における磁気振動モードの結合を発見 -マグノンによる新しい量子情報処理技術の開拓に向けて-
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