研究成果

珪藻の光化学系I-集光性色素タンパク質複合体の立体構造を解明 -進化すると色素タンパク質が増える-


2020年05月26日


     伊福健太郎 生命科学研究科准教授、熊沢穣 同修士課程学生、長尾遼 岡山大学特任講師、加藤公児 同特任准教授、秋田総理 同准教授、沈建仁 同教授、宮崎直幸 筑波大学助教らの研究グループは、クライオ電子顕微鏡を用いて、海産性珪藻の光化学系I-集光性色素タンパク質複合体の立体構造解析に成功しました。そして、この結果から、光合成生物が多様な光環境に適応するために、集光性色素タンパク質の数や結合様式を調整することを明らかにしました。

     本研究成果は、「光合成生物がなぜ多様な色を持ち、生育の場所を拡大してきたのか?」という問いに対する知見を与えるものです。色の多様性は光合成生物の生存戦略の一環です。生育の場所を拡大できたのは、珪藻が褐色を呈することで、水中を透過する限られた光エネルギーを効率よく利用しているからです。さらに、本研究成果は、光合成生物の集光性色素タンパク質の多様性を紐解く知見となり、「なぜ光合成生物は見た目の色が異なるのか?」という進化的な知見を提供するものです。

     本研究成果は、2020年5月18日に、国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。

    図:珪藻の光化学系I-FCP複合体の全体構造(A)と色素分子の配置(B)

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41467-020-16324-3

    【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/250996

    Ryo Nagao, Koji Kato, Kentaro Ifuku, Takehiro Suzuki, Minoru Kumazawa, Ikuo Uchiyama, Yasuhiro Kashino, Naoshi Dohmae, Seiji Akimoto, Jian-Ren Shen, Naoyuki Miyazaki & Fusamichi Akita (2020). Structural basis for assembly and function of a diatom photosystem I-light-harvesting supercomplex. Nature Communications, 11:2481.


    珪藻の光化学系I-集光性色素タンパク質複合体の立体構造を解明 -進化すると色素タンパク質が増える-
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