研究成果

タンパク質自身にくすりをつくらせる革新的手法を開発 -短時間で新規うつ病治療薬候補化合物の選定に成功-


2020年05月12日


     内田周作 医学研究科特定准教授、鈴木孝禎 大阪大学教授、伊藤幸裕 京都府立医科大学准教授らの研究グループは、がんや神経精神疾患の原因である金属含有タンパク質自身に医薬品候補化合物を合成させる方法を世界で初めて開発しました。

     今日の創薬研究では、化学者の手で化合物を一つ一つ合成し、活性を測定するという作業を行っているため、創薬には多くの時間と労力が必要とされています。そのため、短時間かつ少ない労力で医薬品候補化合物を創出する新たな創薬手法が望まれています。

     今回、本研究グループは、がんや神経精神疾患の原因である金属含有タンパク質に着目し、効率的に医薬品候補化合物が見出せることを示しました。本手法を用いることで、複数のアルキン化合物(m個)とアジド化合物(n個)の組み合わせ(m×n個)を短時間で評価することが可能です。そのため、化学者がm×n個の化合物を一つ一つ合成する必要がなく、効率的に医薬品候補化合物を探索することができます。本創薬手法を用いることで、短時間かつ少ない労力で、画期的新薬を創出できると期待されます。

     本研究成果は、2020年4月23日に、国際学術誌「ACS Catalysis」のオンライン版に掲載されました。

    図:標的タンパク質自身に医薬品候補化合物を合成させる創薬手法の開発

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1021/acscatal.0c00369

    Yuka Miyake, Yukihiro Itoh, Yoshinori Suzuma, Hidehiko Kodama, Takashi Kurohara, Yasunobu Yamashita, Remy Narozny, Yutaro Hanatani, Shusaku Uchida, Takayoshi Suzuki (2020). Metalloprotein-Catalyzed Click Reaction for In Situ Generation of a Potent Inhibitor. ACS Catalysis, 10, 5383-5392.

    • 日刊工業新聞(6月4日 19 面)に掲載されました。

    タンパク質自身にくすりをつくらせる革新的手法を開発 -短時間で新規うつ病治療薬候補化合物の選定に成功-
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