iPS細胞を使ってチンパンジーの初期神経発生を誘導 -ヒト脳進化の解明に向けたiPS細胞研究に道-

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北島龍之介 霊長類研究所 博士課程学生(研究当時)、仲井理沙子 同博士課程学生、今村公紀 同助教らの研究グループは、今村拓也 九州大学 准教授らと共同で、チンパンジーの皮膚の培養細胞からiPS細胞を作製し、初期胚から胎生期にかけて進行する初期神経発生を細胞培養実験で誘導、解析することに成功しました。

本研究成果は、 「進化の隣人」であるヒト以外の霊長類のiPS細胞を使った研究と比較することで、ヒトの初期神経発生の進化的プロセスにおける種固有の遺伝子やメカニズムの解明につながると期待されます。

本研究成果は、2020年2月28日に、国際学術誌「Stem Cell Research」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究の概要図

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1016/j.scr.2020.101749

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/246213

Ryunosuke Kitajima, Risako Nakai, Takuya Imamura, Tomonori Kameda, Daiki Kozuka, Hirohisa Hirai, Haruka Ito, Hiroo Imai, Masanori Imamura (2020). Modeling of early neural development in vitro by direct neurosphere formation culture of chimpanzee induced pluripotent stem cells. Stem Cell Research, 44:101749.

  • 京都新聞(3月13日 27面)に掲載されました。