どこからでも学べる遠隔新生児蘇生法講習シミュレーターを開発

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岩永甲午郎 医学部附属病院 助教、野間春生 立命館大学 教授らの研究グループは、通信技術とIoT(Internet of Things)を応用した、低コストで訓練効果が高く、遠隔地からの講習を可能とした新生児蘇生法訓練用シミュレーターを開発しました。

本シミュレーターは医療用聴診器チェストピース部位と交換して使用する教育用IoT聴診器であり、「マネキンの胸で聴診したときのみ心拍音等が聞こえる」仕組みを実現しました。これにより新生児蘇生法( NCPR )講習で広く導入されている既存の安価で低機能な新生児マネキンをそのまま用い、効果的な学習が可能となります。また、疑似的なパルスオキシメーターモニターをスマートフォン用アプリケーションとして開発しIoT聴診器と連動させため、指導者がシミュレーションシナリオ進行の状況に合わせて手軽に操作し負担が軽減される仕様となりました。さらにこれらの機器はインターネット接続により、中核病院や専門施設にいる指導者が、地域の診療所や諸外国の学習者にむけてテレビ電話回線などの通信基盤を利用して遠隔講習(Telesimulation)を実施することが可能です。

本シミュレーターは、主に出産に関わる診療所や病院の2300院、教育機関である看護学校、助産学校、大学医学部・看護学部等の1200校を対象にしています。2020年春を目処に、もっともシンプルな構成での新生児蘇生法講習シミュレーターを提供開始する予定です。

図:本シミュレーターの構成

詳しい研究内容について

書誌情報

  • 産経新聞(2月13日 24面)および読売新聞(3月15日 30面)に掲載されました。