研究成果

核融合エネルギーの実現に必要な水素プラズマの超高温領域を瞬時に拡大することに成功 -ゼロエミッションエネルギー実現に向けて前進-


2020年01月09日


     南貴司 エネルギー理工学研究所准教授、長﨑百伸 同教授、釼持尚輝 東京大学助教らの研究グループは、超高温プラズマを閉じ込める断熱層の位置を自在に制御する手法を発見しました。

     核融合エネルギーは太陽と同じ原理を用いて、海水中に豊富に存在する水素からエネルギーを生成する手法です。核融合エネルギーの実現には超高温の水素プラズマを生成する必要があります。プラズマの中にも温度を閉じ込めておく「魔法瓶」のような断熱層を作ることができますが、これまでの研究では中心に近いところに断熱層があったため高温の領域が狭いという問題がありました。

     今回、本研究グループは、本学にあるヘリオトロンJ装置を用いて、水素プラズマの中心部分の断熱層で閉じ込められた約2000万度の狭い超高温領域を、1万分の1秒で瞬時に拡大させ、プラズマ全体に広げることに世界で初めて成功しました。

     今回発見した手法は、現在フランスで建設中の核融合実験炉ITERや将来の核融合発電炉において重要な運転制御の手法として期待されます。

     本研究成果は、2020年1月8日に、国際学術誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。

    図:(A)磁気島の出現前後の電子温度分布の変化。(B)プラズマ電流と輸送障壁の位置の関係。

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41598-019-56492-x

    【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/245345

    N. Kenmochi, T. Minami, T. Mizuuchi, C. Takahashi, G. M. Weir, K. Nishioka, S. Kobayashi, Y. Nakamura, H. Okada, S. Kado, S. Yamamoto, S. Ohshima, S. Konoshima, Y. Ohtani & K. Nagasaki (2020). Reformation of the Electron Internal Transport Barrier with the Appearance of a Magnetic Island. Scientific Reports, 10:5.

    • 日刊工業新聞(1月14日 23面)に掲載されました。

    核融合エネルギーの実現に必要な水素プラズマの超高温領域を瞬時に拡大することに成功 -ゼロエミッションエネルギー実現に向けて前進-
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