ハトとヒトで視覚運動処理が異なることを発見 -種により運動刺激の見える方向が異なる-

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幡地祐哉 文学研究科 教務補佐員、黒島妃香 同准教授、藤田和生 同教授の研究グループは、ハトがヒトと異なる方法で外界の視覚的な動きを処理することを発見しました。

鳥類はヒトやその他の霊長類と同様に発達した視覚能力を持ちますが、その情報を処理する脳構造は大きく異なることが知られています。本研究ではハトが外界の動きをどのように検出するか調べるために、2種類の人工的な運動刺激を用い、ハトに対してコンピュータの画面に映る刺激がどの方向に動いているか答える課題を行いました。その結果、ハトはこれらの刺激に対し、ヒトが見える方向とは異なる方向に見えるかのような反応を示しました。

本研究成果は、鳥類の視覚処理の特性を示すだけではなく、私たちヒトの視覚処理系が、他の脊椎動物と比較してどのような特性を持つのかを知る上でも重要な知見を与えるものです。

本研究成果は、2019年9月16日に、国際学術誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究に用いた運動刺激とヒト(青)とハト(赤)がそれぞれ運動を知覚する方向

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s41598-019-49839-x

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/244176

Yuya Hataji, Hika Kuroshima and Kazuo Fujita (2019). Pigeons integrate visual motion signals differently than humans. Scientific Reports, 9:13411.