研究成果

遺伝子スイッチの挙動を計測する新技術を開発 -疾患発症のゲノム暗号解読に向けて-


2019年09月06日


     高折晃史 医学研究科教授、白川康太郎 同助教、平林茂樹 同博士課程学生(兼・理化学研究所大学院生リサーチ・アソシエイト)、村川泰裕 理化学研究所チームリーダー、シュルティー・バーガット 同国際プログラム・アソシエイト、川路英哉 同開発ユニットリーダー、松木悠 株式会社ダナフォーム部長代理らの研究グループは、遺伝子の発現スイッチとして働く「エンハンサー」と呼ばれる非コードゲノム領域を、高感度かつ一塩基レベルで検出し、さらに活性度を測定する技術を新たに開発しました。

     エンハンサーには、さまざまな病気の発症に関連するゲノム変異が高度に濃縮されています。しかし、ヒトゲノムのどこに、どれだけの数のエンハンサーが存在して、どのように活性化されるかは不明でした。

     今回、本研究グループは、新しく合成されている最中の「Nascent RNA」に着目し、Nascent RNAを迅速かつ高純度で精製する生化学手法を開発しました。そして、この技術とCAGE法を組み合わせた「NET-CAGE法」を確立し、がん細胞中に存在する約3万の活性化エンハンサーを高精細に同定、さらにその活性化動態やトポロジー構造を解明しました。

     本研究成果は、個体発生などを制御する生体機構の解明につながるほか、次世代ゲノム医療に貢献すると期待できます。

     本研究成果は、2019年9月3日に、国際学術誌「Nature Genetics」のオンライン版に掲載されました。

    図:NET-CAGE法による疾患メカニズムの解明

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41588-019-0485-9

    Shigeki Hirabayashi, Shruti Bhagat, Yu Matsuki, Yujiro Takegami, Takuya Uehata, Ai Kanemaru, Masayoshi Itoh, Kotaro Shirakawa, Akifumi Takaori-Kondo, Osamu Takeuchi, Piero Carninci, Shintaro Katayama, Yoshihide Hayashizaki, Juha Kere, Hideya Kawaji & Yasuhiro Murakawa (2019). NET-CAGE characterizes the dynamics and topology of human transcribed cis-regulatory elements. Nature Genetics, 51(9), 1369-1379.


    遺伝子スイッチの挙動を計測する新技術を開発 -疾患発症のゲノム暗号解読に向けて-
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