研究成果

単一NVダイヤモンド量子センサで世界最高感度を実現 -合成n型ダイヤモンドにより室温での世界最長T2-


2019年09月02日


     水落憲和 化学研究所教授、E. D. Herbschleb 同特定研究員、加藤宙光 産業技術総合研究所主任研究員らの研究グループは、人工的に合成したリンドープn型ダイヤモンドを用い、NV中心(窒素-空孔中心)の室温での世界最長電子スピンコヒーレンス時間(T2)と、単一NV中心を用いた量子センサでの世界最高磁場感度実現に成功しました。このT2は、他の固体系電子スピンの中でも室温では一番長いものです。

     NV中心は室温でも長いT2を有し、超高感度量子センサや量子情報素子の実現および量子センサの生命科学分野への応用の観点から注目されています。T2は重要な特性で、量子センサではT2が長いほど感度が良くなります。

     今回、本研究グループは産業技術総合研究所で作製された高品質なリンドープn型ダイヤモンド中の単一NV中心のT2が、あるリン濃度で非常に長いことを見出しました。n型ダイヤにより最長のT2を実現した点は意義深く、さらなる高感度化に加え、n型半導体特性を活かした量子デバイスへの幅広い応用へ道を拓くものと期待されます。

     本研究成果は、2019年8月28日に、国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。

    図:ダイヤモンド中のNV中心の構造

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】https://doi.org/10.1038/s41467-019-11776-8

    【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/243839

    E. D. Herbschleb, H. Kato, Y. Maruyama, T. Danjo, T. Makino, S. Yamasaki, I. Ohki, K. Hayashi, H. Morishita, M. Fujiwara, N. Mizuochi (2019). Ultra-long coherence times amongst room-temperature solid-state spins. Nature Communications, 10:3766.

    • 日刊工業新聞(9月2日 22面)および日本経済新聞(9月16日 9面)に掲載されました。

    単一NVダイヤモンド量子センサで世界最高感度を実現 -合成n型ダイヤモンドにより室温での世界最長T2-
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