複数のスライスされた標本から元の立体形状を復元する画像処理技術を開発 -ヒトの成長過程の解明にも寄与-

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山田重人 医学研究科教授、向川康博 奈良先端科学技術大学院大学教授、舩冨卓哉 同准教授、久保尋之 同助教らの研究グループは、生体組織を薄くスライスした試料(連続切片)の顕微鏡像から、スライスする前の3次元形状を復元する画像処理技術を開発しました。

今回開発した技術により、既存の連続切片標本からその3次元形状を復元することができ、器官などヒト胚子内部の形態を忠実に可視化することも可能となりました。ヒトの胚子や胎児はサンプルの稀少さから研究が困難であり、現代でも未解明な部分が多々ありますが、本技術により連続切片標本の活用が進み、ヒトの成長過程の解明に寄与することが期待されます。

本研究成果は、2019年7月12日に、国際学術誌「Pattern Recognition」のオンライン版に掲載されました。

図:連続切片を観察して器官を特定し、3次元復元した例

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1016/j.patcog.2019.07.001

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/243245

Takehiro Kajihara, Takuya Funatomi, Haruyuki Makishima, Takahito Aoto, Hiroyuki Kubo, Shigehito Yamada, Yasuhiro Mukaigawa (2019). Non-rigid registration of serial section images by blending transforms for 3D reconstruction. Pattern Recognition, 96:106956.