研究成果

統合失調症やパーキンソン病の治療薬の標的の構造解明 -副作用を抑えた薬の合理的な探索・設計が可能に-


2019年02月05日


     島村達郎 医学研究科特定講師、岩田想 同教授、木村香菜子 同研究員、井上飛鳥 東北大学准教授、青木淳賢 同教授らの研究グループは、セロトニン2A受容体の立体構造を、X線結晶構造解析の手法を用いて世界で初めて解明しました。

     セロトニン2A受容体は、統合失調症や、パーキンソン病の精神症状(幻覚・妄想)などに対する治療薬が作用するタンパク質です。これらの薬には、セロトニン2A受容体と類似する他の受容体にも作用することで発生する副作用が知られています。本研究では、セロトニン2A受容体に薬が結合する部位の近くに、セロトニン2A受容体に特有の構造が存在することがわかりました。

     本研究成果により、今後はセロトニン2A受容体の原子レベルの構造情報をもとに、より有効性が高く副作用の少ない治療薬の探索・設計が可能になることが期待されます。

     本研究成果は、2019年2月5日に、国際学術誌「Nature Structural & Molecular Biology」のオンライン版に掲載されました。

     

    図:セロトニン2A受容体の全体構造(左)と断面図(右)。

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】https://doi.org/10.1038/s41594-018-0180-z

    Kanako Terakado Kimura, Hidetsugu Asada, Asuka Inoue, Francois Marie Ngako Kadji, Dohyun Im, Chihiro Mori, Takatoshi Arakawa, Kunio Hirata, Yayoi Nomura, Norimichi Nomura, Junken Aoki, So Iwata & Tatsuro Shimamura (2019). Structures of the 5-HT2A receptor in complex with the antipsychotics risperidone and zotepine. Nature Structural & Molecular Biology, 26, 121-128.


    統合失調症やパーキンソン病の治療薬の標的の構造解明 -副作用を抑えた薬の合理的な探索・設計が可能に-
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