研究成果

オーロラが爆発するとヴァン・アレン帯の電子が上空65 kmにまで侵入することを解明


2019年02月12日


     海老原祐輔 生存圏研究所准教授、片岡龍峰 国立極地研究所准教授、西山尚典 同助教、田中良昌 同特任准教授、門倉昭 同教授、内田ヘルベルト陽仁 同特任助手らの研究グループは、オーロラ爆発の際に、宇宙空間のヴァン・アレン帯から地球に降り注ぐ高いエネルギーの電子の数が急増し、上空65 km付近という比較的低い高度の大気を電離させていることを明らかにしました。

     オーロラが急激に明るく光る「オーロラ爆発」と呼ばれる現象が、南極・昭和基地上空で世界時2017年6月30日22時20分から約5分間にわたって発生しました。この時、同基地の大型レーダー「PANSY」によって、オーロラよりもはるかに低い65 km高度で大気の電離が確認され、同時に、ジオスペース探査衛星「あらせ」がヴァン・アレン帯電子の急激な変化を観測していました。

     本研究グループは、モンテカルロ型シミュレーション「PHITS」によって、オーロラX線とヴァン・アレン帯電子の両者が引き起こす電離度を見積もりました。その結果、高度65 km付近ではオーロラX線による電離はわずかであり、電離のほとんどはあらせ衛星で観測されたヴァン・アレン帯電子の大量降下のために起こったことが明らかになりました。

     本研究成果は、2019年1月23日に国際学術誌「Earth, Planets and Space」のオンライン版に掲載されました。

     

    図:世界時2017年6月30日22時20分前後のオーロラ爆発の様子。上は爆発5分前、下は爆発直後。(提供:国立極地研究所・宮岡宏)

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】https://doi.org/10.1186/s40623-019-0989-7

    【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/236396

    Ryuho Kataoka, Takanori Nishiyama, Yoshimasa Tanaka, Akira Kadokura, Herbert Akihito Uchida, Yusuke Ebihara, Mitsumu K. Ejiri, Yoshihiro Tomikawa, Masaki Tsutsumi, Kaoru Sato, Yoshizumi Miyoshi, Kazuo Shiokawa, Satoshi Kurita, Yoshiya Kasahara, Mitsunori Ozaki, Keisuke Hosokawa, Shoya Matsuda, Iku Shinohara, Takeshi Takashima, Tatsuhiko Sato, Takefumi Mitani, Tomoaki Hori and Nana Higashio (2019). Transient ionization of the mesosphere during auroral breakup: Arase satellite and ground-based conjugate observations at Syowa Station. Earth, Planets and Space, 71:9.


    オーロラが爆発するとヴァン・アレン帯の電子が上空65 kmにまで侵入することを解明
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