研究成果

レーザー駆動の衝撃波を利用して光速に近い陽子線を発生できることを発見 -宇宙線発生の仕組みを利用した新たな加速器を提案-


2019年01月11日


     岸本泰明 エネルギー科学研究科教授、福田祐仁 量子科学技術研究開発機構上席研究員らの研究グループは、水素クラスター(マイクロメートルサイズの「球状」の固体水素)に高強度のレーザー光を照射して、宇宙線の加速機構と考えられている衝撃波加速と類似の仕組みを利用することで、0.3ギガ電子ボルト(GeV = 109 eV)の高品質の陽子線が発生することを発見し、新奇な陽子線加速手法として提案しました。

     本研究成果は、レーザーを用いた陽子線を高効率、高品質で光速近くまで加速することの出来る加速器の実現につながる新たな知見です。今後、高エネルギーの陽子線を供給する技術として、粒子線がん治療装置の陽子線源としての応用や、物質の水素脆化や放射線損傷のメカニズムを探る研究などへの応用へつながることが期待されます。また、高エネルギー宇宙線の起源を解明する研究の一助となることも期待されます。

     本研究成果は、2019年1月10日に、国際学術誌「Physical Review Letters」のオンライン版に掲載されました。

    図:高強度レーザーを用いて人工的に発生させたプラズマの中での衝撃波の伝搬の模式図

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.122.014804

    Ryutaro Matsui, Yuji Fukuda, and Yasuaki Kishimoto (2019). Quasimonoenergetic Proton Bunch Acceleration Driven by Hemispherically Converging Collisionless Shock in a Hydrogen Cluster Coupled with Relativistically Induced Transparency. Physical Review Letters, 122:014804.

    • 京都新聞(1月19日 28面)に掲載されました。

    レーザー駆動の衝撃波を利用して光速に近い陽子線を発生できることを発見 -宇宙線発生の仕組みを利用した新たな加速器を提案-
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