研究成果

複数の精神疾患における記憶力を共通のモデルで予測することに成功 -疾患に共通する認知機能低下のメカニズム解明に大きく前進-


2019年01月11日


     高橋英彦 医学研究科准教授、吉原雄二郎 同特定助教、 山下真寛 株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)脳情報通信総合研究所研究員、川人光男 同所長らの研究グループは、ATR脳情報通信総合研究所が開発した個人の作業記憶力を予測する機械学習アルゴリズムを用いて、統合失調症など、さまざまな精神疾患患者が安静にしているときの脳活動から、作業記憶力を予測しました。

     本研究の結果、統合失調症患者の作業記憶力低下の個人差、そして4つの精神疾患間の作業記憶力低下の集団差を予測することができました。この結果は、健常者における脳領域間の繋がり方と作業記憶力の対応関係は、複数の精神疾患患者における対応関係にも共通しているということを示しています。

     本研究で開発した手法は、作業記憶力の低下など、疾患横断的な症状の背景に、どのような脳領域間の繋がり方のパターンがあるかを調べる方法として有効と考えられ、このような研究が進むことで深刻な症状を改善する治療方法につながることが期待されます。

     本研究成果は、2019年1月8日に、国際学術誌「eLife」のオンライン版に掲載されました。

     

    図:脳の繋がり方と作業記憶力の関係は、疾患ごとに異なるという仮説(左)と,健常者やさまざまな疾患で共通性があるという仮説(右)

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】https://doi.org/10.7554/eLife.38844

    【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/236017

    Masahiro Yamashita, Yujiro Yoshihara, Ryuichiro Hashimoto, Noriaki Yahata, Naho Ichikawa, Yuki Sakai, Takashi Yamada, Noriko Matsukawa, Go Okada, Saori C Tanaka, Kiyoto Kasai, Nobumasa Kato, Yasumasa Okamoto, Ben Seymour, Hidehiko Takahashi, Mitsuo Kawato, Hiroshi Imamizu (2018). A prediction model of working memory across health and psychiatric disease using whole-brain functional connectivity. eLife, 7:e38844.


    複数の精神疾患における記憶力を共通のモデルで予測することに成功 -疾患に共通する認知機能低下のメカニズム解明に大きく前進-
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