研究成果

乾燥を受けた樹木が枯死に至る生理過程を解明 -地球温暖化の森林への影響を高精度に予測する道を開く成果-


2019年01月28日


     石田厚 生態学研究センター教授、甲野裕理 理学研究科修士課程学生(現・株式会社ウィル)、才木真太朗 同博士課程学生(現・森林研究・整備機構森林総合研究所研究員)、檀浦正子 地球環境学堂助教(兼・農学研究科助教)、矢崎健一 森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員らの研究グループは、世界自然遺産である小笠原諸島にて、乾燥によって樹木がどのように死んでいくのか、その生理過程を明らかにしました。

     近年、世界の各地で熱波や乾燥による樹木枯死や森林衰退が相次いで報告されています。これは地球温暖化による気候変動のためと考えられています。将来の森林生態系の変化や、その保全を図るためには、樹木がどのように乾燥による障害を受け、枯死していくのかを明らかにする必要があります。

     本研究では、衰弱初期には樹木体内での水の通道性が悪くなり、最後には糖が欠乏して枯死していくことを明らかにしました。さらに、その衰弱過程で、糖の輸送障害により、特に幹基部で糖が蓄積していくといった症状を呈することも明らかになりました。

     本研究成果は、2019年1月7日に、国際学術誌「Communications Biology」のオンライン版に掲載されました。

    図:乾燥によって樹木が枯死に至る生理過程の模式図。HVは個体の葉量の指標(辺材面積と葉量の比)。

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】https://doi.org/10.1038/s42003-018-0256-7

    【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/235961

    Yuri Kono, Atsushi Ishida, Shin-Taro Saiki, Kenichi Yoshimura, Masako Dannoura, Kenichi Yazaki, Fuku Kimura, Jin Yoshimura & Shin-ichi Aikawa (2019). Initial hydraulic failure followed by late-stage carbon starvation leads to drought-induced death in the tree Trema orientalis. Communications Biology, 2:8.


    乾燥を受けた樹木が枯死に至る生理過程を解明 -地球温暖化の森林への影響を高精度に予測する道を開く成果-
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