研究成果

ウニ類に対する人間活動のインパクトを解明 -半世紀の長期継続調査による世界初の成果-


2018年04月26日


     中野智之 フィールド科学教育研究センター助教らと、同志社大学、国立環境研究所、大阪市立自然史博物館、奈良女子大学による共同研究グループは、本学所有の自然保護区である和歌山県の畠島において、半世紀にわたるウニの調査・研究を行い、ウニの長期変動の傾向と、気候変動や海洋汚染といったヒトによるウニの生態系への影響を世界で初めて明らかにしました。

     

      本研究成果は、2018年4月25日に国際学術誌「Ecological Indicators」オンライン版にて公開されました。

     

    研究者からのコメント

    中野助教

    本調査のような半世紀にわたる継続調査は並大抵のことでは完遂させることはできません。本調査では故・大垣俊一博士と故・小林直正博士を中心とした歴代の研究者がバトンをつなぐことで、このような長期調査を可能にしました。これまでの調査・研究に携わった研究者、協力者、本学の瀬戸臨海実験所の技術職員の方々にお礼を申し上げます。本調査は、さらに50年間、1世紀継続を目標に今後も調査を継続していく予定です。私の役目は、本調査を継続させるとともに、引き継いだバトンを次の世代に渡すことだと思っています。また、畠島が本学所有の大切な自然保護・調査区として一般の方々に広く認知され、無断上陸や採集などがなされないように願っています。
     

    概要

     人間活動が与える生態系への影響はゆっくりと起こるため、その調査には、長期間の継続したモニタリングが必要不可欠でした。本共同研究グループは、本学所有の自然保護区である畠島(和歌山県・田辺湾)において、優占種であるムラサキウニ・タワシウニ・ナガウニ類の個体数を、1963年より現在まで半世紀の間、調査を行ってきました。

     このような沿岸の底生生物を対象としたこれほどの長期変動の調査はアジアでは行われておらず、特にウニ類を対象とした調査では本研究が世界でも最長です。その結果、ウニ類の長期変動の傾向と、その長期変動には人間活動の間接的な影響があることが明らかになりました。

    左から順にタワシウニ、ツマジロナガウニ、ムラサキウニ

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】https://doi.org/10.1016/j.ecolind.2018.03.040

    Shun-Ichi Ohgaki, Tetsuya Kato, Naomasa Kobayashi, Hidetomo Tanase, Naoki H. Kumagai, So Ishida, Tomoyuki Nakano, Yoko Wada, Yoichi Yusa (2018). Effects of temperature and red tides on sea urchin abundance and species richness over 45 years in southern Japan. Ecological Indicators.

    • 毎日新聞(5月5日 20面)に掲載されました。

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