研究成果

姿勢の悪化と脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行に影響


2017年12月26日


     建内宏重 医学研究科助教、市橋則明 同教授らの研究グループは、立っている時の脊柱の傾きと脊柱の柔軟性低下が、変形性股関節症の進行に関わる重要な要因であることを明らかにしました。これは、リハビリテーションの現場で比較的容易に評価可能であり、かつ、運動により改善させられる要因の中から変形性股関節症の進行に影響を与える要因を明らかにした初の報告です。

     本研究成果は、2017年12月18日に国際変形性関節症学会の学術誌「Osteoarthritis and Cartilage」に掲載されました。

    研究者からのコメント

     現在はまだリハビリテーションによって変形性股関節症の進行を抑制できるという十分なエビデンスは存在しませんが、立位姿勢や脊柱の柔軟性は理学療法士の適切な指導のもと医療機関や自宅での運動によって変化させることが可能です。今後、立位姿勢や脊柱の柔軟性の改善を手段とした変形性股関節症の進行予防を目的とした研究を実施することで、進行予防に有効なリハビリテーションの開発につなげていきたいと考えています。

    概要

     変形性股関節症は、股関節の痛みや可動範囲の制限、筋力低下などの症状が出る疾患です。歩行や立ち座りなどの運動機能や生活の質にも大きな悪影響を与えます。女性に多い疾患であることが知られており、日本では約120万から420万人の患者がいるとされています。

     変形性股関節症は慢性進行性の疾患であるため、その進行予防は極めて重要な課題です。現在まで、骨形態の異常や遺伝的要素、年齢(加齢)、性別(女性)など複数の要因が疾患進行に関わることが明らかになっています。これらの要因はリハビリテーションなどの運動によって変化させることができない要因です。そのため、変形性股関節症の進行予防を目的としたリハビリテーションのターゲットを明確にすることができず、どのような運動が有効か不明でした。

     本研究グループは、リハビリテーションの現場で一般的に測定・評価されている要因の中で運動により改善させることが可能なものに着目し、それらの中から変形性股関節症の進行に関わる要因を探索しました。医学部附属病院整形外科で変形性股関節症と診断され、経過観察中の患者50名を対象とした研究の結果、股関節の関節可動域制限や筋力低下など股関節自体の問題よりも、立っている時の脊柱の傾きと脊柱の柔軟性低下が重要な要因であることが明らかとなりました。

     

    詳しい研究内容について


    姿勢の悪化と脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行に影響
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