研究成果

乳癌手術前の化学療法と手術後のカペシタビン投与で予後が改善


2017年06月09日


     戸井雅和 医学研究科教授らの研究グループは、乳癌の手術前に化学療法を行い、手術後にも抗がん剤の一種であるカペシタビンを投与すると治療後の生存期間が延びることを確認しました。

     本研究成果は、2017年6月1日に米国の科学誌「The New England Journal Medicine」に掲載されました。

    研究者からのコメント

     本研究成果は、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)陰性乳癌患者の予後の改善に寄与するとともに、今後の乳癌治療の進展に貢献することが期待されます。

    概要

     乳癌の手術前に化学療法を施しても、組織に広がる癌が残ってしまう場合は治療後の経過が思わしくないのが現状です。

     本研究グループは、2007年から2012年にかけて日本と韓国の医療機関で登録された910例の症例を解析しました。カペシタビン投与から5年の時点での無病生存期間や全生存期間を評価したところ、原発性乳癌患者の術後にカペシタビンを投与すると、予後の向上が得られることが分かりました。

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1056/NEJMoa1612645

    Norikazu Masuda, Soo-Jung Lee, Shoichiro Ohtani,  Young-Hyuck Im, Eun-Sook Lee, Isao Yokota, Katsumasa Kuroi, Seock-Ah Im, Byeong-Woo Park, Sung-Bae Kim, Yasuhiro Yanagita,  Shinji Ohno, Shintaro Takao, Kenjiro Aogi, Hiroji Iwata, Joon Jeong, Aeree Kim, Kyong-Hwa Park, Hironobu Sasano, Yasuo Ohashi and Masakazu Toi (2017). Adjuvant Capecitabine for Breast Cancer after Preoperative Chemotherapy. New England Journal of Medicine, 376, 2147-2159.