研究成果

サラブレッド馬の扱いやすさとセロトニン受容体遺伝子の関連


2015年12月14日


     堀裕亮 博士(文学研究科)、藤田和生 文学研究科教授および村山美穂 野生動物研究センター教授らの研究グループは、JRA日高育成牧場の協力を得て、騎乗馴致(乗り馴らし)中のサラブレッド1歳馬167頭の馴致難易度(扱いやすさ)を行動観察により評定しました。行動観察をおこなった個体について、セロトニン受容体1A遺伝子(HTR1A)の型判定を行い、扱いやすさ得点との関連を分析したところ、HTR1A遺伝子の遺伝子型によって、扱いやすさに違いがあることがわかりました。

     本研究成果は11月19日付けで、英国雑誌Animal Geneticsの速報版に発表されました。

    研究者からのコメント

     遺伝子型から個体の性質を予測できれば、それに合わせた飼育管理方法の開発や、乗馬・セラピーホースなどの適性の評価などに応用が期待されます。さらに研究を進め、ヒトとウマがよりよい関係を築くための一助となればと考えています。

    概要

     ウマは家畜動物として長い歴史をもつ動物ですが、ウマにおける遺伝子型と行動の関連についての研究は多くありませんでした。本研究では、乗り馴らし中のサラブレッド馬の扱いやすさと遺伝子型との関連を分析しました。不安や恐怖の調節に関連する神経伝達物質である、セロトニンの受容体をコードする遺伝子を対象に、遺伝子型によって行動に違いが見られるかを分析しました。

     扱いやすさと遺伝子型の関連を分析したところ、HTR1Aの遺伝子型によって扱いやすさが統計的に有意に異なることがわかりました。709番目の塩基はGからAの置換ですが、このうちAの対立遺伝子をもつ個体はもたない個体に比べて扱いにくいことが判明しました。この効果はオスよりもメスでより顕著に見られました。

    扱いやすさ得点とHTR1A遺伝子型の関連。縦軸は馴致難易度で、得点が高ければ扱いにくいことを意味している。

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    [DOI] http://dx.doi.org/10.1111/age.12384

    Y. Hori, T. Tozaki, Y. Nambo, F. Sato, M. Ishimaru, M. Inoue-Murayama and K. Fujita
    "Evidence for the effect of serotonin receptor 1A gene (HTR1A) polymorphism on tractability in Thoroughbred horses"
    Animal Genetics, Article first published online: 19 NOV 2015

     

    • 京都新聞(12月10日夕刊 8面)に掲載されました。

    サラブレッド馬の扱いやすさとセロトニン受容体遺伝子の関連
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