研究成果

魚油に多く含まれるオメガ3脂肪酸が皮膚アレルギー反応を抑制する機序の解明


2015年10月06日


     椛島健治 医学研究科教授および本田哲也 同特定准教授らの研究グループは、魚油に多く含まれるオメガ3脂肪酸由来の脂質が、皮膚のアレルギー反応を改善させることを発見しました。

     本研究成果は、米国科学誌「The Journal of Experimental Medicine」誌に掲載されました。

    研究者からのコメント

    左から椛島教授、本田特定准教授

     今回の我々の研究を介して、オメガ3脂肪酸が皮膚アレルギー反応を改善させうること、またそのメカニズムを、世界で初めて証明しました。今回の研究成果に基づき、オメガ3脂肪酸をターゲットとしたアレルギー疾患の新たな治療法の開発が今後期待されます。

    概要

     魚油に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といったオメガ3脂肪酸は、古くからさまざまな病態において炎症抑制作用があることが知られていました。オメガ3脂肪酸はヒトでは体内で生成できませんが、食べ物から摂取され体内で代謝され、種々の抗炎症性物質が生成されることが知られています。しかし、その抗炎症作用のメカニズムはいまだ不明な点が多く残されています。また、皮膚アレルギー反応における作用についてはほとんど解析が進んでいませんでした。

     本研究グループは、オメガ3脂肪酸由来の脂質代謝物の一種である「レゾルビンE1」が、皮膚アレルギー反応で重要な働きを担う樹状細胞の機能を制御して、皮膚アレルギー反応に抑制効果を有することを世界で初めて証明しました。

    オメガ3脂肪酸の皮膚アレルギー反応抑制

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    [DOI] http://dx.doi.org/10.1084/jem.20150381

    [KURENAIアクセスURL] http://hdl.handle.net/2433/209901

    Yu Sawada, Tetsuya Honda, Sho Hanakawa, Satoshi Nakamizo, Teruasa Murata, Yuri Ueharaguchi-Tanada, Sachiko Ono, Wataru Amano, Saeko Nakajima, Gyohei Egawa, Hideaki Tanizaki, Atsushi Otsuka, Akihiko Kitoh, Teruki Dainichi, Narihito Ogawa, Yuichi Kobayashi, Takehiko Yokomizo, Makoto Arita, Motonobu Nakamura, Yoshiki Miyachi, and Kenji Kabashima
    "Resolvin E1 inhibits dendritic cell migration in the skin and attenuates contact hypersensitivity responses"
    The Journal of Experimental Medicine, Published October 5, 2015

     

    • 京都新聞(10月6日 29面)および毎日新聞(10月6日 27面)に掲載されました。

    魚油に多く含まれるオメガ3脂肪酸が皮膚アレルギー反応を抑制する機序の解明
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