研究基盤としてのアンドロイド「ERICA(エリカ)」を開発 -自然な対話が可能な自律対話型アンドロイドの実現に向けて-

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公開日

河原達也 情報学研究科教授、石黒浩 大阪大学基礎工学研究科教授(国際電気通信基礎技術研究所石黒浩特別研究所長・ATRフェロー)、らは、研究プラットフォームとして人間に酷似したロボットのアンドロイド「ERICA(エリカ)」を開発しました。

研究者からのコメント

このプロジェクトは、人間と区別のつかない見かけのアンドロイドに、人間と同様の振る舞い・音声対話を実現しようという極めて挑戦的な目標を掲げています。これは、人間どうしのコミュニケーションの解明に貢献できることも期待しています。

本研究成果のポイント

  • 人間と自然に対話するアンドロイド「ERICA(エリカ)」を新たに開発
  • 見た目は美人顔の特徴を参考にコンピューターで合成され、振る舞いは現時点で最先端の音声認識、音声合成、動作認識、動作生成の技術を統合して製作
  • 「ERICA」を、「違和感のない自然な対話」を追求する研究プラットフォーム(研究基盤)とすることで、自律対話型アンドロイドの実現を期待

概要

人型ロボットは日常生活の場で活躍することが期待されており、人間と関わる技術の研究開発が特に重要です。本プロジェクトでは、対話に適した見た目を持つロボット(アンドロイド)に、さまざまな要素技術を組み合わせることで、自律的に人間のような振る舞いで社会的な対話ができるものを目指しています。今回、その研究プラットフォームとしてのアンドロイド「ERICA(エリカ)」を開発しました。

本学の研究グループは、音声対話を担当しています。本学の音声認識技術は国会(衆議院)の会議録作成でも採用されていますが、今回、「ERICA」への実装にあたり、「Julius(ジュリアス)」と呼ばれる我が国で最も利用されているオープンソース音声認識ソフトにディープラーニング(深層学習)と呼ばれる最新の技術を導入して、高精度化を実現しています。

今後、音声認識などの言語コミュニケーション技術をさらに高度化させていくとともに、視線や表情などの非言語コミュニケーション技術を統合することで、人間と区別のつかないレベルの自然な対話の実現を目指します。

アンドロイド「ERICA(エリカ)」の外観

詳しい研究内容について

  • 京都新聞(8月4日 25面)、産経新聞(8月4日 27面)、中日新聞(8月4日 33面)、日刊工業新聞(8月4日 23面)、日本経済新聞(8月4日 34面)および科学新聞(8月21日 8面)に掲載されました。