臨床用ヒトES細胞株の樹立やストック作製計画について、国内で初めて指針への適合性が確認されました。(2017年6月30日)

公開日

ウイルス・再生医科学研究所胚性幹細胞分野に設置されたヒトES細胞用細胞処理施設(Cell Processing Facility、以下CPF)でのヒトES細胞株の樹立やストック作製計画について、2017年6月30日に、文部科学大臣および厚生労働大臣により指針への適合性が確認されました。臨床用のヒトES細胞の作製が認められたのは国内で初めてのことです。

ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)のような多能性幹細胞は、あらゆる体細胞へ分化する能力を持ち、再生医療の他、病態解明や創薬などへの応用が期待されています。iPS細胞については既に国内で臨床研究が行われており、ES細胞も海外では治験が始まっています。

本計画では、京都市内の医療機関より、不妊治療で使われなかった余剰胚の提供を夫婦の同意を得たうえで受け、CPFにおいてヒトES細胞を作製する予定です。本施設は大臣確認に先立ち、2017年1月24日に再生医療等安全性確保法に基づく臨床用培養施設として、特定細胞加工物製造の許可を取得しています。作製したストックは国立成育医療研究センターなどに分配し、臨床応用を目指した研究への活用を目指していきます。

記者会見で説明を行う末盛博文 ウイルス・再生医科学研究所准教授

CPF内にある細胞保存室

関連部局