がん患者の予後を正確に予測する新規バイオマーカー開発を行うベンチャー企業の設立を発表しました。(2016年12月22日)

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武藤誠 医学研究科名誉教授らは、大学発ベンチャーとして、京ダイアグノスティクス株式会社(代表取締役 隅田剣生)を2016年11月22日に設立しました。同社は京都大学(京都市左京区)を拠点とし、第一弾として大腸がんを対象とした診断薬を開発します。

同社の設立は、武藤名誉教授の技術の事業化を目指した科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業大学発新産業創出プログラム(START)の研究開発成果を活用するものであり、日本戦略投資株式会社(代表取締役 佐々木美樹)を事業プロモーターとして起業準備を進めてきました。

今後、京ダイアグノスティクス株式会社は、研究開発の推進、事業化(薬事申請)体制の構築、資金調達活動を行い、大腸がんの診断薬を第一弾として胃がん等への適応拡大などの事業育成を進め、大学等の研究成果の社会還元を目指します。

本診断法での大腸がん第二期陰性患者の5年生存率は100%であり、陽性患者では80%です(20%が再発死亡しています)。陰性患者に対しては、術後の頻回検査を削減でき、大幅な医療費を削減できます。陽性患者に対しては、早期の術後化学療法により予後の改善を期待できます。大腸がんのほか胃がん等でも研究を行っており、幅広い適応拡大を計画しています。