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声帯瘢痕患者を対象としたHGFの治験の実施について(2014年11月18日)


2014年11月25日

  • ニュース 学部・大学院から


     医学部附属病院耳鼻咽喉科では声帯の再生医療に関する研究を行ってきました。このたび、神戸医療産業都市構想の中核機関である先端医療振興財団と共同で取り組んでいる声帯瘢痕患者を対象とした医師主導治験で、1例目の治験薬投与を開始しました。本治験は、ヒトのHGF(肝細胞増殖因子)を遺伝子組換え技術により製造・製剤化した治験薬(KP-100LI)を、声帯瘢痕患者の声帯内に投与して、HGFの安全性の確認と有効性指標の検討を目的とする探索的な治験です。HGFを初めてヒト声帯内に投与することになりますので安全性を確認しながら慎重に投与します。18名の患者さんに参加いただく予定です。

    左から正常な声帯、声帯溝症、声帯瘢痕

    用語解説

    声帯瘢痕

    声帯は酷使されると炎症を起こします。そこに喫煙や飲酒、胃酸逆流などが加わると声帯粘膜が損傷を受けます。このような状態が継続すると、声帯粘膜は硬く変性して振動しにくくなり、やがて声がかすれて弱くなる、場合によってはほとんど声が出なくなることもあります。このような状態を声帯瘢痕といい、職業的に声帯を酷使する歌手、役者、教師などの方に発生しやすく、意思伝達に支障をきたす、または職を失うこともあります。現在、声帯瘢痕に対して確立した治療法はなく、新しい治療法の開発が強く望まれています。

    HGF(肝細胞増殖因子、hepatocyte growth factor)

    肝細胞の増殖・肝再生を促す因子として発見されたヒトの体内にあるタンパク質の一種ですが、さまざまな組織・臓器の保護・再生を担うとともに強力な抗線維化作用が明らかになっています。これまでに声帯瘢痕の動物実験モデルでHGFの有効性が確認されています。


    声帯瘢痕患者を対象としたHGFの治験の実施について(2014年11月18日)
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