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ターゲット
公開日
志田岳弥 理学研究科修士課程学生(研究当時)と佐藤拓哉 生態学研究センター准教授は、サケ科魚類のヤマメを対象にした大規模かつ詳細な野外調査を行い、源流から本流までの各生息場所にみられる様々な生き方が、流域全体でみられる生き方の多様性に大きく貢献していることを定量的に示しました。本研究の成果は、種の存続や将来の環境変化への適応可能性に関わる「生き方の多様性」が、川の様々な空間スケールで維持されていることを示唆する重要な知見です。
本研究成果は、2025年10月20日に、国際学雑誌「Journal of Animal Ecology」にオンライン掲載されました。
研究者のコメント
「本研究では、環境側と生き物側の季節性に関連して、生き方が多様化しやすい環境もあれば、特定の生き方が出現しやすい環境もあるという構造が浮かび上がりました。生き方の多様さにムラがあり、それが変化しながら世代を重ね、目の前の渓流魚がいるのだと思います。四季折々のハードな調査にお付き合頂いた方々、研究を応援してくれた飛騨の方々に感謝しています。」(志田岳弥)「この研究をスタートするとき、跨いで渡れるような源流の小河川から、数十メートルの川幅がある本流まで、水温や餌生物の季節変化がダイナミックに変わる河川流域を丸ごと相手にして、渓流魚の生きざまを研究しよう!という基本コンセプトを立てました。夜に川に潜って魚を捕まえ、雪山を下って水生昆虫を採りました。初心に帰ることができた、自然との体当たり研究でした。もうやりません!」(佐藤拓哉)
詳しい研究内容について
研究者情報
研究者名
佐藤 拓哉
書誌情報
【DOI】
https://doi.org/10.1111/1365-2656.70141
【書誌情報】
Takeya Shida, Takuya Sato (2025). Hierarchical organization of life-history variation in a salmonid fish across riverscape: Relevance of seasonal growth opportunity and maturation decision window. Journal of Animal Ecology.