第8回次世代グローバルワークショップを開催しました。(2015年8月1日~3日)

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2014年度に続き、今年も第8回となる次世代グローバルワークショップを、「Demographic Challenges in the Era of Global Ageing and Migration」(グローバル高齢化と移動の時代における人口学的挑戦)をテーマとして上記期間に開催しました。次世代グローバルワークショップは、グローバルCOE(親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点)の活動を引き継ぎ本学アジア研究教育ユニット(KUASU)が実施している事業です。

ワークショップではKUASUの国際連携大学教員や本学教員による基調講演に始まり、世界16の国や地域(韓国、中国、台湾、タイ、フィリピン、インド、ネパール、シンガポール、インドネシア、マレーシア、スリランカ、カタール、トルコ、フランス、ドイツ、日本)から、大学院生・若手研究者24名が参加しました。高齢化による人口の変動や、それらが引き起こす国境をこえた移住、社会包摂などのセッションに分かれて、英語で研究発表を行い、合計11名の研究者によるコメントの機会を設けました。参加者からは、「多様な分野の研究者からコメントをもらえたことも視野を広げるうえで大変有意義であった」、「発表や質疑応答のみでなく、何気ない会話にも多くの気づきがあった」、「それぞれの国が異なったケアシステムを持っており、各国の社会システムに埋め込まれているということを再度認識させてくれ、視野を大きく広げてくれた」、「多様な国々の研究者と協同して問題解決の為に理解し合えるとわかり、自分自身への自信にもなった」などの声が聞かれました。

3日には、日本の超高齢社会の現実をより深く知るために、フィールドトリップを開催しました。シルバー人材センター二条城事務所「ばぁばサービス、ピノキオ」では、利用者のニーズに沿った数時間ごとの交代システムで、一時預かり保育を実施しており、会員らが退職後も再び保育士として働いています。またシルバー人材センター北部支部では、観光ガイドや家事支援などに従事する会員から貴重な実体験を聞くことができ、参加者からも活発な質疑がありました。さらに昼食をともにすることで、参加者とシルバー人材センターの方々との密なコミュニケーションが図られました。地域密着型総合ケアセンター「きたおおじ」、高齢者福祉施設「紫野(むらさきの)」への訪問でも歓迎をうけ、異なるケアシステムを有する海外からの若手研究者にとっては、それぞれの研究活動を更に発展させていく上で、大いなる刺激となりました。同時に、今回のフィールドトリップに協力くださった施設職員の方々からも、日々の取組みを客観的に振り返る機会となったという貴重な感想をいただきました。

参加者は今後もKyoto International Consortium for Asian Studies(KICAS)(京都アジア研究国際コンソーシアム)のWebサイトを通じて交流を続け、単位互換や学生・研究員、教員の交換も視野に入れた国際連携の一層の発展を図ることを約束しました。

本事業は大学の世界展開力強化事業およびスーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)の一環として実施し、2016年度も継続して開催する予定です。

海外招へい者による発表

時計台集合写真

京都市シルバー人材センターでの質疑応答

高齢者福祉施設「紫野」での説明

「紫野」屋上庭園(1)

「紫野」屋上庭園(2)

集合写真