本学学生に向けた総長からのメッセージについて(2020年4月3日)

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新型コロナウイルスの現況を踏まえ、山極壽一 総長から本学学生へのメッセージがございますので、お知らせします。

学生に向けた総長メッセージ

新型コロナウイルス感染症の拡大が、今まさに、世界の大きな脅威になっています。
ここ京都においても、深刻な集団感染が懸念される緊迫した状況が目の前にあります。
先が見えないこの事態に、京都大学に通われる学生の皆さんも、大きな不安を感じられていることと思います。

私は京都大学総長として、学生の皆さんの安全を確保することが、最優先の使命と考えています。
このため、自ら先頭に立って危機対策本部を指揮し、既に、感染拡大リスクの高い卒業式、入学式等の大規模な式典等の中止を、やむを得ず決定いたしました。

さらには、新年度の初めに人々の接触機会が高まる状況を極力避けるため、4月中のキャンパス内における授業を原則として行わないこととしました。

学生の皆さんには、現在の厳しい状況を十分にご理解いただき、自身の健康を守ること、併せて、課外活動を含め感染拡大を招きうる行動を決して執らないことを、強くお願いいたします。

本学では、こうした厳しい状況のもとにあっても、教育機会を最大限確保していくため、現在、教職員が一丸となって、新学期の授業開始に向けた準備に、全力を注いでいます。

その一環として、新学期からの授業については、感染拡大の防止に最大限の注意を払うために、対面での授業を可能な限り回避しながらも、同時に勉学の実を挙げるのに要する学修時間を確保するためには、オンラインでの遠隔授業や課題研究による学修を繁用することにします。

対面の講義によらない方法での授業には、大きな不安や負担を感じられることもあろうかと思います。しかし、ウイルスの影響が今後どのような経路をたどるのか未だ判らない中で、学修機会を極力保持するには、オンラインツールを活用した授業の有効性に目を向けない訳にはいきません。
現在、そのために必要な学内の支援体制について、一層の強化を進めています。

また、キャンパス内での授業が無い間も、大学からはオンラインで学修に必要な情報、資料、さらに、4月中から一部開始するオンライン授業などを適宜配信して行くこととしています。併せて、豊富なオンライン教育リソースの提供も行っています。

学生の皆さんには、これらに円滑に対応できるよう、オンラインでの学習に向けたご準備をお願いいたします。

新学期はまもなくスタートします。私は、これまで経験したことのない困難の中で迎えるこの新学期においても、われわれが持てる最大の知恵と手段を駆使して、学生の皆さんの大いなる能力を引き出すために、着実に、そして安全に教育を継続することこそ、本学が果たすべき大きな役割だと考えています。

何卒、皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いいたします。

2020年4月3日
京都大学総長
山極 壽一

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