田中求 物質-細胞統合システム拠点教授が2014年度フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞を受賞しました。(2014年5月16日)

公開日


田中教授

田中求(たなかもとむ) 物質-細胞統合システム拠点教授が、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団より、2014年度フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞を受賞することになりました。

同賞は、学術交流促進のため、1979年より毎年、日独の文化と社会の相互理解促進に貢献のあった日本人科学者にドイツ連邦共和国大統領から直接授与されます。ドイツにおける日本人研究者を対象とする最も権威のある賞とされ、今年で36回目となります。

本学からの受賞は第1回の沼正作 博士から数えて6人目となります。式典は2014年6月3日(火曜日)、フンボルト財団の年次総会において、ベルリンの連邦大統領官邸であるベルビュー宮殿で行われる予定です。

田中教授のコメント

物理学的手法を応用して、非平衡状態にある生命動態を定量的に解き明かすことは、自然科学研究全般における究極の課題の一つであるといえます。今回の受賞は、疾患や発生という生命動態を非平衡物理学の立場から解明することを提唱してきた私の研究業績と、日独6大学交流協定や日独・日欧の研究プログラムを通じた日本とドイツの分野横断的な学術交流への貢献を評価いただいたものであると理解しております。ここ数年、欧州、特にドイツでは、これまでインド・中国からの研究者育成に重点を置いてきた学術交流を、長年のパートナーかつライバルでもある日本との戦略的交流へと舵を切りつつあり、日独のパートナーシップはこれからますます重要になると思われます。今回、錚々たる顔ぶれの大先輩方が受賞者に名を連ねるジーボルト賞をいただけることを大変光栄に思うとともに、分野の垣根を越えたダイナミックな研究と若手研究者の育成・交流の活性化を通じて、今後とも日独の学術交流に微力ながら貢献していきたいと思います。

主な経歴

昭和45年7月生まれ。平成10年3月に京都大学大学院工学研究科(分子工学専攻)博士後期課程を修了し、同月に京都大学博士(工学)の学位を取得。以来15年以上の月日をドイツで過ごす。ミュンヘン工科大学物理学部博士研究員として研究者のスタートを切り、独立グループを率いながら物理学で上級学位(ハビリタチオン)を平成17年に取得。その直後にハイデルベルク大学に化学・物理学の正教授として着任し、生命物理化学の講座を担当。平成25年4月に、京都大学教授に採用になり、現在は、物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)で研究を行っている。日独6大学交流協定(HeKKSaGOn Alliance)との連携で、ドイツで過ごすことも多い。

受賞理由

今回の受賞は、「生命動態を非平衡物理学の枠組みで理解する、アクティブバイオマター物理学の開拓」に関する研究業績と日独間の学際領域分野における学術交流への功績が評価されたものです。田中教授は生命物理学、アクティブマターの物理学を専門としています。

関連リンク