岡田 暁生 人文科学研究所准教授が文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しました。(2009年3月16日)

岡田 暁生 人文科学研究所准教授が文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しました。(2009年3月16日)

 岡田 暁生 人文科学研究所准教授が文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しました。

 同賞は、演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論等の10分野において、その年に優れた業績をあげ、新生面を開いた者に授与されます。

 岡田 准教授は、昭和57年3月大阪大学文学部を卒業、同63年7月同大学院文学研究科博士後期課程を退学、アルベルト・ルードヴィッヒ大学フライブルグ博士課程音楽学専攻留学等を経て、平成4年4月1日大阪大学文学部助手に採用、同6年5月1日神戸大学発達科学部助教授に昇任、同15年4月1日京都大学人文科学研究所助教授、同19年4月1日から同准教授となり、現在に至っています。

 今回の受賞は、19世紀のピアノ教育史の研究によるものです。18、19世紀には鍵盤楽器は、魂と心と手の形に最も近い楽器でした。しかし、ピアノに金属のフレームがとりつけられ、鍵盤の敏捷な運動が重視されるにつれて、その音色の輝きを増大させるために、指と腕のアクロバット的な訓練が開始されています。ピアニストを目指したシューマンが、そうした道具による訓練に失敗したのはその例。岡田 准教授は、著書「ピアニストになりたい!十九世紀もうひとつの音楽史」において、これまで見過ごされてきた十九世紀のピアノ教育のシステムに着眼し、メカニックな練習曲、過酷な練習方法などの多彩な例を駆使して、19世紀音楽文化の知られざる一面にあざやかに光を当てました。

 その研究成果は内外の学者により極めて高く評価されており、今回の文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞の対象となったものです。


賞状

祝賀会場