量子ドットを用いた結晶シリコン太陽電池の高効率化に向けた設計指針を提供

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用語解説

量子ドット

大きさが数ナノメートルの微細な半導体の結晶。サイズの変化によって電子のエネルギー状態(バンドギャップエネルギーなど)が変化するなどのユニークな特性を持つ。

バンドギャップエネルギー

半導体において電子が満たされて動かない状態である「価電子帯」と電子が自由に伝導する状態である「伝導帯」の間のエネルギー差、電子を価電子帯から伝導帯に持ち上げるのに要するエネルギー量を意味する。バンドギャップエネルギーの大きさは、半導体の種類と用いた量子ドットの大きさによって決まる。バンドギャップエネルギーよりも小さなエネルギーを持った光は半導体に吸収されず利用できないが、通常の太陽電池ではバンドギャップエネルギーの小さな半導体を用いると電圧が低くなることが知られている。

中間バンド型太陽電池

半導体の価電子帯と伝導帯の中間的な位置にあり電子が入ることができるような状態である「中間バンド」を形成し、バンドギャップエネルギーよりも低いエネルギーを持った光を2回吸収することで高い電圧を生成する太陽電池

開放電圧(Open-Circuit Voltage:Voc

太陽電池の電流-電圧特性のうち、太陽電池の端子を開放した(電流がゼロとなる)状態における電圧のこと。

多重励起子生成(MEG)型太陽電池

半導体のバンドギャップエネルギーの2倍以上のエネルギーを持つ光を吸収した場合に、1個の光子で複数の励起子(電子と正孔の対)が生成される現象を利用する太陽電池

ホットキャリア型太陽電池

高いエネルギーを持った光を吸収した場合に生成される高エネルギー状態の電荷(ホットなキャリア)を、エネルギーが熱として奪われる前に電気エネルギーとして利用する太陽電池