学術情報メディアセンターセミナー 「計算科学の明日を担うソフトウェア」

学術情報メディアセンターセミナー 「計算科学の明日を担うソフトウェア」

 京都大学学術情報メディアセンターでは、月に一度、各分野でご活躍の講師をお招きし、それぞれの研究開発活動の内容や現在抱えている課題についてご紹介いただき、参加者を含めて広く議論を行う機会として、月例セミナーを開催しています。

 7月23日の学術情報メディアセンターセミナーでは、丸山直也 理化学研究所 計算科学研究機構チームリーダーをお招きし、ご講演いただきます。

 学内外を問わず多数の方の参加をお待ちしております。

日時

2013年7月23日(火曜日) 16時30分~18時30分

場所

京都大学 学術情報メディアセンター 南館2階 202マルチメディア講義室
(お身体の不自由な方にはエレベーターをご利用いただけますので、事務室にお申し付けください。)

対象

どなたでも参加いただけます。

参加費用

無料

参加申し込み

不要

プログラム

16時30分~17時30分
講演題目 「アプリケーションフレームワークによる性能と生産性の両立」
講演者 丸山直也 理化学研究所計算科学研究機構チームリーダー
概要 本講演では大規模並列計算システムを対象としたアプリケーションフレームワークであるPhysisを紹介する。Physisは流体シミュレーションにおいて頻繁にあらわれる計算パターンであるステンシル計算を対象としたフレームワークであり、ステンシル計算用ドメイン特化言語(DSL)にて簡潔かつ可換性を有したプログラミングが可能である。Physis DSLにて記述されたプログラムは自動的にGPU等のアクセラレータを含む各種並列計算プラットフォーム向けに変換され、またステンシル特有の最適化などが自動的に適用される。本講演ではPhysisのGPU向け実装を例として実装の詳細および性能評価事例を紹介する。
17時30分~18時30分
講演題目 「大規模並列境界要素解析フレームワークと分散並列H行列ライブラリの開発」
講演者 岩下武史 学術情報メディアセンター准教授
概要 本講演では、科学技術振興機構(JST) CRESTプロジェクトの一環として実施しているポストペタスケールシミュレーションを見据えた大規模並列境界要素解析を支援するソフトウェアについて紹介する。今後のスパコン上の計算科学シミュレーションでは数万以上のコアを効率的に活用する必要がある。しかし、大規模並列計算に必須のプロセス間通信を正しくプログラムすることだけを取り上げても、プログラミングには大きな困難を伴う。そこで、講演者の研究グループでは境界要素解析を対象とし、これを並列計算環境で実行するプログラムのフレームワークを開発している。また、高速な境界要素解析を実現するための重要な要素として、高速多重極法やH行列法等の高速計算技法があるが、汎用性に優れるH行列法に関し、これを分散並列環境で活用する為の技術開発、ライブラリ開発を行っている。これらの開発ソフトウェアについて電磁場解析、地震サイクルシミュレーションでの適用事例を交え、紹介する。

問い合わせ

京都大学 学術情報メディアセンター 岩下武史
TEL: 075-753-7430
E-mail: iwashita*media.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)

主催

京都大学 学術情報メディアセンター
http://www.media.kyoto-u.ac.jp/