聴講講義: Kyoto Artisans and their Worlds

聴講講義: Kyoto Artisans and their Worlds
  •  文字通り京都に住んで京都と深い関わりを持つ芸術家について学ぶというものでした。この授業の形式は、主にフィールドワークで、毎回興味深い芸術家の所へ向かい、現地で見て、聞いて、触って、新鮮な生きた知識を得ることができました。 
     簡単に紹介すると、唐紙、京町屋、和紙、金糸、藍染め、友禅染、袈裟作り、西陣織の帯、製糸、茶道、信楽焼、などここには書ききれないほどの経験をしました。
     毎回、課題としてその日に訪問した場所のフィールドレポートと、次の訪問先に関する読書課題が与えられました。読書課題は、英語で書かれており、自国の文化を英語で読んで初めて知るというのは、なかなか良い体験でした。
     最初は、英語の講義を受けられる、なんて素晴らしいのだと思いこの授業に参加していましたが、芸術について深く学び、同じクラスの友達の熱い議論を聞いているうちに、この授業は、言語に関係なく本当に意義のある授業なのだと気が付きました。(工B3)
  •  授業内容は、京都の伝統工芸に関するもので、専門分野と重なる部分も多く(自身は建築学専攻です)非常に興味深く聞くことが出来た。講師は日本に数十年間暮らす米国出身の2人で、伝統的手工芸に関して専門的な知識を持っており、日本語・日本文化にも日本人以上に精通しているため、あらゆる質問に適切な回答をしてくれる。英語は発音・語彙ともに分かりやすく、テーマも一貫しているため、ある程度以上の英語能力があれば専門知識なしでも充分受講が可能である。
     授業はほぼ全ての回で、京都周辺の現地に出かけて見学・体験する方式であった。今まで京都で生活をする中で良く知っているはずの地域でも、路地裏に予想もしないような作家や工匠が活動している場があることを知り驚きの連続であった。
     今期の授業では実際に町家、京唐紙職人、西陣織職人、友禅染職人、釘職人、金糸職人、着物帯職人、信楽焼作家、茅葺きの古民家等をめぐった。
     授業のシステムは、前述の通り見学がメインで、1.参考文献の配布・通読(前日まで)→2.現地見学→背景知識を含めた現地での説明→視点の共有・振り返り→解散→3.Field Report提出(A4両面1枚、次の授業まで)→1.…の繰り返しである。学期末には授業を通して興味を持った事柄に対して、A4で7~10枚程度のレポートと5~10分程度のプレゼンテーションを行う。
     全体としては費用に対して、体験や見学などの密度も高く、先生の個人的な人脈を利用した(一般には入ることが難しい)場所もあり非常に有益な授業である。特に京都の文化を客観的に紹介してもらえるので、興味がある学生には英語授業の体験という以上に京都の工芸文化の導入としてもぜひとも受講をおすすめしたい。(工M3)