2024年秋号
京大 DEI ナビ
女子学生チャレンジプロジェクト
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)推進の一貫として京都大学が目指すのが、研究活動において女子学生がリーダーシップやイニシアティブを発揮できる環境づくり。「女子学生チャレンジプロジェクト」は、自らの探求心を核に、新たな課題に挑戦する女子学生を支援する試みだ。初回となる2023年度は、50を超える応募から6つのプロジェクトが選ばれた。採択者の中から、女子生徒向けのロボット・プログラミング・ワークショップに取り組む阿部玲華さんに、半年間のプロジェクトの成果を紹介いただいた。
• 活動によって期待する効果、今後の展開が明確なこと
• 既存の研究分野や社会政策にとらわれない独創的なテーマや新たな課題の発見になるようなもの など
京都大学の正規課程の女子学生(学部学生又は大学院生)をチームリーダーとする2名以上で構成するグループ
ロボット・プログラミング・ワークショップに新しい選択肢を増やしたい!
工学に興味を持つ女子生徒は潜在的にいるはずなのに、巷のロボット・プログラミングのワークショップは、男子生徒の受講を想定した内容が多いです。私も高校時代に参加したときに、内容に興味をそそられなくて、ロボット制作を諦めたことも……。「かわいい」ものが好きな生徒も興味を持てる、間口の広いロボット・プログラミング・ワークショップがあれば、ロボットに興味を持つ人がもっと増えるのではないかという思いが原点です。
最初に女子生徒向けのワークショップを開いたのは大学1回生の頃。メンバーは私一人でした。資金と人手に限界があり、これまでは年に一度の実施が精一杯。今回、「プロジェクト」として採択されたことで、これまで以上に多くの方を巻き込んで活動できました。2023年度は各地の中学校で、8回のワークショップを実施。学会での報告の機会にも恵まれて、他大学の研究者にも活動を伝えられたのは大きな成果です。
かわいい外観のロボットを制御して、30秒間の動画作品を作ります。特徴は創作を楽しめること。失敗も決められたゴールもないので、思いのまま表現してください! プログラミングは目的ではなくツール。何をしたいかこそが重要です。表現手段としてのプログラミングの楽しさを伝えたいです。
高校時代の私がそうだったように、実際に触れてみると楽しさが分かるのがプログラミング。実際に見て、触れる重要性を実感し、モチベーションはさらに高まりました。今後は、私の手を離れても実施ができるように、ワークショップの手法のモデル化を目指します。私のワークショップは女子中学生を想定したものでしたが、モデルを活用して、性別や年代を問わず、従来のワークショップとは違う興味・関心を持つ生徒にもアプローチしていきたいです。