医学部附属病院次世代ハイブリッド手術室の稼働を開始しました。(2013年11月14日)

医学部附属病院次世代ハイブリッド手術室の稼働を開始しました。(2013年11月14日)

 医学部附属病院では、高度な外科医療を支援できる術中画像診断システムとして統合型高性能画像診断サーキット(integrated Smart Imaging Circuit:iSIC)を手術室に設置する事業を進めています。今回、その一環として次世代型ハイブリッド手術室の稼働を開始しました。

 次世代型ハイブリッド手術室とは、従来の血管造影撮影装置を併設したハイブリット手術室と異なり、ナビゲーションシステム・血管撮影装置・手術台・高機能PACSビューアー・画像サーバーをネットワークで連動した手術システムで、国内では初めての設置となります。本システムは、血管をはじめとして様々な臓器の高画質な透視に加えて3次元撮影と3次元画像解析がリアルタイムに行え、その情報を直ちに手術支援として用いることができます。

 本手術システムの特徴は、胸腹部の大動脈に対するカテーテルを用いた血管内治療と外科手術を同時に行う従来のハイブリット手術室の役割だけでなく、大動脈弁疾患や治療困難な巨大脳動脈瘤、脳動静脈奇形などの複雑な血管病変、腫瘍病変、脊椎病変に対して、安全性の高い高度な治療が可能となることです。また、こうした治療に伴う患者にかかる負担も大幅に減らすことができます。

 本手術室システムの稼働に伴い、新たにより安全な治療体制が構築されました。心臓血管外科と循環器内科では、経カテーテル大動脈弁植え込み術(Transcatheter Aortic Valve Implantation:TAVI)を予定し、脳神経外科、耳鼻咽喉科、整形外科では、難易度の高い頭蓋内疾患、脊椎疾患、頭頸部疾患の治療を予定しています。

 医学部附属病院では、今後さらに国内で初めてとなる術中3テスラMRI手術支援システムなどの最新医療機器の設置を通じて、高齢化や生活習慣病などが要因となって増加している治療困難な疾患に取り組んでいきます。


手術室全景