京都大学広報誌
京都大学広報誌『紅萠』

ホーム > 紅萠 > 第32号編集後記

2017年秋号

第32号編集後記

今週、南海トラフ地震で近い将来大きな被害が予想される和歌山の人たちといっしょに岩手県沿岸部を訪問した。南海トラフ地震に備えるため、東日本大震災を経験した人から、津波からの避難や地域を再建するうえでの課題について、お話を聞くことが目的であった。インタビューを終え、別れ際に岩手の人から投げかけられたことばが「がんばってくださいね」。これまでは被災した自分たちに対して贈られてきたことばが、将来被災するかもしれない人たちへのメッセージとして発せられた。震災から6年が経過するが、防潮堤は建設途上であり、いまだ仮設住宅で生活をおくる人もいる。復興事業は完了していないが、着実に復興は進んでいるのだなと実感した一方、「私たちの『ほんとうにたいへんだった経験』をちゃんと活かせよ」、「同じようにたいへんな目にあうなよ」というすごく重い投げかけをもらった気がする。きょうは9月1日、関東大震災が発生した日であり「防災の日」となっている。

広報委員会『紅萠』編集専門部会

編集後記

facebook ツイート