研究成果

コヒーシン遺伝子変異による白血病発症の機序を解明 -染色体の3次元構造の異常が発がんに-


2020年04月08日


     小川誠司 医学研究科教授、越智陽太郎 同特定助教、鈴木洋 マサチューセッツ工科大学客員研究員、白髭克彦 東京大学教授、宮野悟 同教授らの研究グループは、コヒーシン遺伝子変異による白血病発症の機序を解明しました。

     近年、本研究グループは、新規コヒーシン遺伝子変異が10-20%の白血病に認められることを報告しました。今回、本研究グループが3,000症例以上の白血病の大規模なゲノム解析、ノックアウトマウスの解析、更に次世代シーケンサーを活用した統合的エピジェネティック解析を実施した結果、(1)コヒーシンの一つであるSTAG2遺伝子変異が、RUNX1遺伝子変異と高頻度に共存すること、(2)これらの遺伝子の両方に異常が生じることで、骨髄異形成症候群を発症すること、(3)コヒーシン変異が染色体の3次元構造の変化などのエピジェネティックな異常を引き起こし、更にRUNX1変異が加わることでその異常が加速し、発がんに至ることなどを解明しました。

     本研究成果は、コヒーシン変異や新規エピジェネティック異常を標的とした治療・予防法の開発に重要な手がかりを与える知見で、今後これらを標的とした新規治療薬の開発が期待されます。

     本研究成果は、2020年4月6日に、国際学術誌「Cancer Discovery」のオンライン版に掲載されました。

    図:本研究の概要図

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1158/2159-8290.CD-19-0982

    Yotaro Ochi, Ayana Kon, Toyonori Sakata, Masahiro M Nakagawa, Naotaka Nakazawa, Masanori Kakuta, Keisuke Kataoka, Haruhiko Koseki, Manabu Nakayama, Daisuke Morishita, Tatsuaki Tsuruyama, Ryunosuke Saiki, Akinori Yoda, Rurika Okuda, Tetsuichi Yoshizato, Kenichi Yoshida, Yusuke Shiozawa, Yasuhito Nannya, Shinichi Kotani, Yasunori Kogure, Nobuyuki Kakiuchi, Tomomi Nishimura, Hideki Makishima, Luca Malcovati, Akihiko Yokoyama, Kengo Takeuchi, Eiji Sugihara, Taka-aki Sato, Masashi Sanada, Akifumi Takaori-Kondo, Mario Cazzola, Mineko Kengaku, Satoru Miyano, Katsuhiko Shirahige, Hiroshi I Suzuki and Seishi Ogawa (2020). Combined Cohesin-Runx1 Deficiency Synergistically Perturbs Chromatin Looping and Causes Myelodysplastic Syndromes. Cancer Discovery.


    コヒーシン遺伝子変異による白血病発症の機序を解明 -染色体の3次元構造の異常が発がんに-
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