細胞内の複数のマイクロRNAを同時に検知して細胞を生きたまま精密に分けることに成功

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齊藤博英 iPS細胞研究所教授、遠藤慧 東京大学助教らの研究グループは、人工RNAを細胞に導入することで、生きた細胞内の複数のマイクロRNA(miRNA)を検知して、細胞の種類に応じて精密に分画することに成功しました。

本研究では、メッセンジャーRNA(mRNA)を細胞内に導入することで、一度に複数の細胞内miRNAを検知し、生きた細胞で多変量解析(複数の変数を統計的に処理する手法)を実行することができました。そして、細胞によって発現量が異なる複数のmiRNAを同時に検出することで、細胞の種類や分化段階に応じて細胞を分画することに成功しました。

本研究成果によって、特定の種類の細胞を生きたまま検知することが可能になり、将来的には標的細胞の純化に用いるなど、医療応用に貢献できると期待されます。

本研究成果は、2019年8月22日に、国際学術誌「Science Advances」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究における実験結果の一部

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1126/sciadv.aax0835

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/243837

Kei Endo, Karin Hayashi, and Hirohide Saito(2019). T Numerical operations in living cells by programmable RNA devices. Science Advances, 5, eaax0835.