研究成果

藻類のオイル生産を制御する因子を同定 -有用脂質生産の自在制御に向け大きな一歩-


2019年08月05日


     福澤秀哉 生命科学研究科教授、Nur Akmalia Hidayati 東京工業大学博士課程学生、堀孝一 同助教、太田啓之 同教授、下嶋美恵 同准教授、岩井雅子 同特任助教、大林武 東北大学准教授、櫻井望 かずさDNA研究所チーム長(現・国立遺伝学研究所特任准教授)らの研究グループは、バイオ燃料をはじめとする有用脂質生産に活用が期待される藻類の一種「クラミドモナス」で、リンや窒素の栄養欠乏時に起こるオイルの蓄積を制御する因子の同定に成功しました。またこの制御因子は、特に栄養欠乏時の細胞内にオイルが大量に蓄積する時期に機能する主要な制御因子であることも突き止めました。

     藻類はリンや窒素などの栄養欠乏時に細胞内にオイルを多量に蓄積することが広く知られています。この仕組みの解明が、藻類で様々な有用脂質を自在に生産するための大きな手掛かりになると考えられていました。

     今回、種々の藻類で広く見られる栄養欠乏時のオイルの大量蓄積を制御する制御因子を見出したことで、明らかになった脂質蓄積の制御の機構や制御因子自体を、藻類で生産する有用脂質の種類や生産の時期を自在にコントロールするための仕組みづくりに活用することが期待されます。

     本研究成果は、2019年7月27日に、国際学術誌「The Plant Journal」のオンライン版に掲載されました。

    図:本研究によって、オイルの蓄積を制御する因子(LRL1)が変異すると、リン欠乏時の生育が抑制されることが明らかになった

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1111/tpj.14473

    Nur Akmalia Hidayati, Yui Yamada‐Oshima, Masako Iwai, Takashi Yamano, Masataka Kajikawa, Nozomu Sakurai, Kunihiro Suda, Kanami Sesoko, Koichi Hori, Takeshi Obayashi, Mie Shimojima, Hideya Fukuzawa, Hiroyuki Ohta (2019). LIPID REMODELING REGULATOR 1 (LRL1) is differently involved in the phosphorus‐depletion response from PSR 1 in Chlamydomonas reinhardtii. The Plant Journal.


    藻類のオイル生産を制御する因子を同定 -有用脂質生産の自在制御に向け大きな一歩-
    現在の画像 JPEG image — 70 KB

    No