研究成果

屈折率を光で制御 -ビーカーで作るペロブスカイト材料の新しい光機能を解明-


2018年03月28日


     田原弘量 化学研究所助教、金光義彦 同教授らの研究グループは、ハロゲン化金属ペロブスカイトに光を照射することで大きく屈折率が変化することを発見しました。さらに、この屈折率変化を利用してレーザー光の偏光を制御する実験に成功しました。

     本研究成果は、2018年3月23日に国際学術誌「Advanced Optical Materials」に掲載されました。

    研究者からのコメント

     光の屈折率を制御する技術は、液晶テレビや光通信における変調器のように実生活で利用されている重要な技術です。ハロゲン化金属ペロブスカイトは溶液塗布で簡便に薄膜結晶を作製でき、成型や加工の自由度が高い物質なので、本研究の成果は光通信に用いられている光変調器や光スイッチなどの小型化につながると期待されます。

    概要

     ハロゲン化金属ペロブスカイトは溶液塗布によって結晶化する物質で、薄膜太陽電池の研究を中心として世界で盛んに研究されています。また、高い発光効率を示すことから発光ダイオードなどの材料としても研究が行われています。これまで、光の受光(太陽電池)や発光(ダイオード)に関する研究は行われてきましたが、光を照射したときの特性の変化については明らかになっていませんでした。

     本研究グループは、このハロゲン化金属ペロブスカイトの単結晶に対してパルス光を照射したときの屈折率の変化を測定しました。液晶テレビや光通信では「電場」によって屈折率が変化する現象を利用していますが、「光」によって屈折率が変化する現象はフォトリフラクティブ効果と呼ばれ、さまざまな物質で研究が行われてきました。

     本研究では、ハロゲン化金属ペロブスカイトがフォトリフラクティブ効果を示すことを世界で初めて明らかにしました。さらに、この屈折率変化を利用してレーザー光の偏光を回転させる実験に成功し、ハロゲン化金属ペロブスカイトの光通信デバイスなどへの新たな利用法を示しました。

    図:有機溶媒中で結晶化したハロゲン化金属ペロブスカイト。光を照射することで大きな屈折率変化を引き起こすことを発見。

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1002/adom.201701366

    Hirokazu Tahara, Tomoko Aharen, Atsushi Wakamiya, and Yoshihiko Kanemitsu (2018). Photorefractive Effect in Organic–Inorganic Hybrid Perovskites and Its Application to Optical Phase Shifter. Advanced Optical Materials, 6(11):1701366.


    屈折率を光で制御 -ビーカーで作るペロブスカイト材料の新しい光機能を解明-
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