1990年を境に、ザンビア東部州一帯で、人びとのキリスト教への入信と聖霊(Holy Spirit)の憑依が爆発的に増加しました。ザンビアにおけるこうした聖霊憑依をともなう教会は、ズィオン聖霊教会(Zion Spirit Church)と自称しています。その信徒は、聖霊の憑依を聖書の記述の実現ととらえ、旧約聖書レヴィ記の記述のままに神にいけにえをささげ、その食物規制に従って生活を送ります。
発表者は、これまで20年余にわたって、南部アフリカ全域におけるキリスト教聖霊教会の広がりを追跡してきました。その過程で、カトリック教会の元ザンビア大司教エマヌエル・ミリンゴに出会いました。彼は、病気治療の儀礼の実践や妻帯した神父を再び叙階したことを問われて、最終的にヴァチカンから破門されるに至ります。発表者はそのミリンゴの聖祭の旅にも同行しました。奇しくも、聖霊教会の追跡の旅は、キリスト教の再創造過程を追跡する旅となりました。
この講演では、近著「宗教の始原を求めて - 南部アフリカ聖霊教会の人びと」(岩波書店 2014)にまとめた、南部アフリカにおけるキリスト教聖霊教会の現在(いま)を報告します。基本情報
開催地
- 吉田キャンパス
百周年時計台記念館 国際交流ホール III
対象
- 在学生の方
- 一般・地域の方
一般、在学生、教職員
参加費
200円(資料代として)
イベント内容
発表者
吉田憲司(国立民族学博物館文化資源研究センター教授)
コメンテーター
落合雄彦(龍谷大学法学部教授)
石井美保(京都大学人文科学研究所准教授)
備考
京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学、および関連分野に関心をもつ研究者・大学院生がその研究成果を報告する場です。
お問い合わせ
京都人類学研究会事務局
E-mail: kyojinken2014*gmail.com (*を@に変えてください)
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