○京都大学における医療情報・ヒト生体試料の学外への提供についての指針

令和4年4月1日

研究規範担当理事裁定制定

(目的)

第1 本指針は、京都大学(以下「本学」という。)が、医療、健診及び健康に関する情報並びにヒト生体試料及びそれに由来する情報(以下「医療情報等」という。)について、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)第27条第1項第6号に規定される「学術研究目的」で本学と「共同して学術研究を行う」第三者又は同第7号に規定される「学術研究目的」で個人データを取り扱う「学術研究機関等」に該当する学外の組織又は個人(本学の教員の指導の下で医療情報等を学術研究及び学習に利用する本学の学生、研究生その他本学と雇用関係にない本学の構成員を除く。以下「提供先機関等」という。)に対して提供(アクセス可能な状態にすることを含む。以下同じ。以下「「学術研究目的」での提供」という。)するに当たり、遵守すべき事項を定める。

(「学術研究目的」の基準等)

第2 医療情報等を管理する部局における京都大学における個人情報の保護に関する規程(平成17年達示第1号。以下「保護規程」という。)第4条第1項に定める保護管理者たる部局の長(以下「部局長」という。)は、当該医療情報等の提供が、次の各号のいずれかに該当する場合は、「学術研究目的」での提供であると判断する。

(1) 当該医療情報等の提供先が、法第16条第8項に規定される「学術研究機関等」であり、かつ提供先が当該医療情報等を「学術研究目的」で取り扱う必要があるとき。(法第27条第1項第7号相当)

(2) 当該医療情報等の提供が、次に掲げるすべての事項を満たすとき。(法第27条第1項第6号相当)

ア 医療情報等を本学との共同研究において利用すること。

イ 本学との共同研究の研究期間に限った医療情報等の提供であること(当該共同研究の終了後は返却又は破棄されること。)

ウ 医療情報等を提供する共同研究において、本学教員による当該研究の成果の学術発表に制限がないこと(特許出願等のために一定期間学術発表を遅らせる措置は制限とはみなさない。)

エ その他個人情報保護委員会の示す考え方と照らして、「学術研究目的」であることを否定する特段の事情がないこと。

2 部局長は、前項により当該医療情報等の提供が「学術研究目的」での提供であると判断できない場合、当該部局が定める手続に基づき、当該医療情報等の提供が「学術研究目的」での提供であるか否かを判断する。

(医療情報等の提供)

第3 部局長が第2の規定により「学術研究目的」の医療情報等の提供であると判断した場合における当該医療情報等の提供については、次の各項に定めるところによる。

2 本学は、医療情報等を提供しようとする目的が当該医療情報等の情報分析等により得られた結果を提供先機関等に提供することで達成され得る場合、当該医療情報等の提供に代えて、当該情報分析等により得られた結果のみを提供するものとする。

3 前項による提供では、提供しようとする目的が達成され得ない場合であって、医療情報等を提供しようとする目的が本学施設内において提供先機関等に当該医療情報等へアクセスさせることで達成され得るときは、本学は、当該医療情報等の提供を当該アクセスを認める方法により行うものとする。

4 前2項の規定にかかわらず、本学は、医療情報等の情報分析等により得られた結果の提供又は本学施設内における提供先機関等による医療情報等へのアクセスのいずれの方法によっても、当該医療情報等を提供しようとする目的の達成に多大な費用がかかる等総合的に事情を考慮して合理性が認められない場合、当該医療情報等を提供しようとする目的の達成に必要な範囲に限り、提供先機関等に対し、当該医療情報等を引き渡すことができる。

5 本学は、医療情報等の情報分析等により得られた結果の提供又は本学施設内における提供先機関等による医療情報等へのアクセスのいずれの方法によっても、当該医療情報等を提供しようとする目的が達成され得ない場合、当該医療情報等を提供しようとする目的の達成に必要な範囲に限り、提供先機関等に対し、当該医療情報等を引き渡すことができる。

(患者等の権利の保護等)

第4 本学は、提供先機関等への医療情報等の提供に当たり、適用のある法令、指針、ガイドライン等に則り、患者その他本学に自己の医療情報等を提供した者の権利を保護するものとし、提供先機関等に対してもこれを求めるものとする。

2 本学は、提供先機関等への医療情報等の提供に当たっては匿名化を施すものとする。ただし、匿名化により当該医療情報等を提供しようとする目的が達成され得ないおそれがある場合には、当該医療情報等を提供しようとする目的の達成を妨げない程度の匿名化にとどめることができる。

(費用の負担)

第5 本学は、医療情報等の提供に当たっては、提供先機関等に、医療情報等の維持、管理及び提供に必要な費用の負担を求めるものとする。ただし、部局長がやむを得ないと認めた場合は、費用を減額し、又は免除することができるものとする。

(遵守義務)

第6 本学の教職員は、医療情報等の提供に当たり、倫理審査委員会による審査等の必要な手続を経る等、本指針、関係する法令、指針、ガイドライン、保護規程、提供の対象となる医療情報等を管理する部局が第7に基づき定める規程その他関係する規程等を遵守しなければならない。

(その他)

第7 「学術研究目的」による医療情報等の提供先機関等への提供に係る手続は、当該医療情報等を管理する部局において行うものとし、当該手続その他必要な事項は、保護規程及びこの指針で定めるもののほか、当該部局で定める。

京都大学における医療情報・ヒト生体試料の学外への提供についての指針

令和4年4月1日 研究規範担当理事裁定制定

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第5編 研究等
沿革情報
令和4年4月1日 研究規範担当理事裁定制定