はじめに-省エネルギーと京都大学

はじめに-省エネルギーと京都大学

皆さんもご存じのように、近年大気中の温室効果ガスが地球温暖化を進行させ生態系に悪影響を及ぼすことが分かり、1997年12月に京都で開催されました気候変動枠組条約第3回締約国会議(以下COP3)で温室効果ガス排出の削減を定めた「京都議定書」が採択されました。これにより日本は対象ガスの排出を2008年からの5年間で1990年比の6%削減することを義務づけられました。それに伴い我が国では温室効果ガスの削減策の一つとして従来からあった「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(以下省エネ法)の改正が行われました。

温暖化対策としての省エネ法の改正は3回に分けることができます。まず第1回目は1999年4月にCOP3を背景としてトップランナー方式(※1)の採用と多量のエネルギーを消費する工場を対象として改正されました。次に第2回目の改正は省エネへの取り組みが遅れている民生部門の大規模オフィス等を対象としてエネルギー管理を行う仕組みを取り入れたものでした。第3回目の2006年4月の改正はさらなる省エネルギーを目指すため、トップランナー機器の拡大や運輸部門、民生部門の対策を強化し、電気・熱管理を一体化としたものです。

また改正省エネ法は事業者に対し、中長期的な省エネ計画を作成、定期報告を行い、「工場ごと又は事業者ごとにエネルギー消費原単位(※2)を年平均1%以上低減させる。」との努力目標を設定しています。

京都大学では、2003年9月に吉田地区(電気、熱)、2003年8月に宇治地区(電気)また、2005年7月に桂地区(電気)が第1種エネルギー管理指定工場に指定されていましたが、2006年4月の法改正に伴い吉田、宇治、桂地区は第1種エネルギー管理指定工場(※3)に指定、さらに熊取地区は第2種エネルギー管理指定工場(※3)に指定されました。

それらを背景に、施設活用課ではより効果的に省エネルギー活動を推進していくために、省エネルギーについての企画、調査、啓発、相談などの業務を行っております。この「京都大学の省エネルギー活動について」のWebページも省エネルギー活動の啓発・支援を目的に作成していますので、皆様の省エネルギー活動に利用して頂ければ幸いです。これからも省エネルギーに対して幅広く活動していきますので、皆様のご支援のほどよろしくお願いします。

用語について

※1.トップランナー方式
自動車の燃費や電気製品など、現在商品化されているトップクラスの性能を省エネ基準に設定する考え
※2.エネルギー消費原単位
エネルギー消費原単位とはエネルギーの消費をエネルギーと関係の深い量で除した値をいいます。本学ではエネルギーと建物面積との関係が深いと考え「エネルギー消費原単位=エネルギー消費量/建物延べ面積」と設定しています。
※3.エネルギー管理指定工場
平成18年度より法が改正され電力・熱が一本化となり、原油換算で3,000KL/年以上消費している工場は第1種、原油換算で1,500KL/年以上消費している工場は第2種のエネルギー管理指定工場に指定されます。