パーキンソン病のiPS細胞治療において自家移植では免疫反応がおこらない可能性が大きい -霊長類にて初めて実証-
用語説明
ミクログリア
脳や脊髄に存在するグリア細胞の一種。脳内をパトロールし、神経細胞の異常を感知すると修復を助け、細菌などの異物を攻撃するなど、免疫防御反応を担う。
ドパミン産生神経細胞
神経細胞の一種で、神経伝達物質としてドパミンを放出する。多くのパーキンソン病では、中脳黒質にあるドパミン産生神経細胞の変性が主な病理として知られている。
レトロウイルスベクター
ベクターとは、細胞外から内部へ遺伝子を導入する際の「運び屋」を指す。ウイルス由来のベクターは、遺伝子導入効率の高さからさかんに開発されてきた。目的遺伝子をウイルスに組み込み、細胞に感染させることにより遺伝子を導入する。レトロウイルスベクターは、このウイルスベクターの1種類として確立されたもので、宿主の細胞に感染したあと、宿主のDNAのなかに入り込み、自らのウイルスを増殖させる性質を利用するものである。
エピソーマルプラスミドベクター
目的の遺伝子を細胞内部へと導入するためのベクター「運び屋」の一種の環状DNA。宿主DNA(染色体)の中に遺伝子を入り込ませずに細胞内で自律的に増殖する。
PET
プラスの電気を帯びた電子を放出する同位元素(アイソトープ)で標識された薬剤を注射し、体内分布を特殊なカメラで断層撮影する装置。生体の機能を画像化でき、がんの性質などの検査に有用な診断機器
MRI
核磁気共鳴という原理を利用して生体内の断面画像を解析できる方法。CT検査に比べ、より高解像度の3次元情報を得ることができる。