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  京都大学メールマガジン Vol.37
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   目次:
   ◆「みる」「きく」「はなす」 松本紘
   ◆オープンキャンパス
     ◆plaited polyhedra(編まれた多面体)
   ◆大学の動き
   ◆研究成果
   ◆イベントのお知らせ
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◆ 今回は日頃の雑感をもとにエッセイを書いてみます。※

 昨年9月までは、京都大学の理事・副学長として財務と研究、産官学連携など年間1800回を越える打ち合わせ、会議などで忙殺されていましたが、その年の10月から京都大学の総長職を引き受けることになり、人とお会いすることがそれまでのおよそ倍に跳ね上がりました。中国、周の武王の王業を扶けた周公丹は、人こそがすべての源泉と考え、浴中でも髪を握って訪問者と会い、食事中にはいったん口に入れた食べ物でも、それを吐き出して来訪者と面会するなど、まさに「握髪吐哺」を実践していたと『史記』にあります。私はその故事を範として、6年という長丁場の総長任期の土台作りの現段階において、大学の内外を問わず、できる限り多くの方々とお会いするように心がけています。大学の管理運営の改善や改革を、多くの方々の知恵をお借りし、周到かつ大胆に進めていきたいと願っているからです。
  しかし、人と会うのは実にむつかしいことです。「心ここにあらざれば、視るとも見えず、聴くとも聞こえず」と『大学』にあります。人から学ぼうにも、何をどのように引き出せばよいのか。これは大変むつかしいことです。まずお会いする方の人物像の観察から始まります。「観」も「察」も「みる」という行為です。一口に「みる」といってもたくさんあります。手元の漢和辞典で調べてみると
   見る:目で見てよく見分ける
   視る:気をつけて見る、うかがう
   覧る:広くみる、目をとおす
   観る:念を入れてみる、ながめる、かんがみる
   察る:よくみる、調べみる、おしはかる
   監る:上から見下ろす、みはりをする、調べる
   看る:手をかざして見る。見守る、みまう
   診る:病状を調べる
とあります。さらに「みる」という行為を表す漢字として
   相:もののかっこうを見てめききをする。念入りにみる
   目:め、めつき、まなざし、みる、みあわす
   物:みる、みたてる
   瞰(かん):上から下を見下ろす
   瞥(べつ):ちらりとみる、ちょっと見る、目をかすめる
というのもあります。先ほどの『大学』からの引用は、さしずめ心をこめなければ、注意ぶかく「視る」だけでは「判断ができない」ということではないかと解釈できます。多くの方々とお会いする時は「覧」からでしょうか。また、このリストを見ていますと「観」「察」は自然相手の科学の場合のみならず、限りなく白黒のつけにくい社会現象、とりわけ人間関係をみるときにこそ必要と思われます。皆さんは人と会われる際に上に掲げたどの「みかた」をされているのでしょうか。
  さらに人とお会いして話を始めると「きく」と「はなす」ことが必要になります。こちらも漢和辞典を調べてみると
   聞く:音声を耳に感じる、しる、きいて知る
   聴く:念を入れて詳しく聞く 
   訊く:相手に質問する
とあります。さらに同音で会話の中身に関係するものとして
   効く:きく、ききめ
   利く:技量がある、すぐれている
もあり、なかなか面白いものです。

 「はなす」については
   話す:ことばで相手に伝える。述べる、かたる、互いにかたりあう
   談す:かたる、ものがたる、言論
   譚す:ものがたりをかたる
   咄:しかる、おどろく、はなし
とありますが、話の内容によっては
   離す:遠ざける
   放す:ときはなす、ゆるす
   縦:ゆるむ(緩)、放す
にもなり、無意識にそうなっていないかと自戒します。
  ついでに「かく」を調べてみると
   書く:文字などを記す
   描く:絵や図にあらわす、描く
   画く:描くとおなじ
以外に
   欠く:そろったものが一部無くなる、やぶれる、こわす
   掻く:手でかく、つまむ
ともあり、不用意に「かく」とかえってまとまっていたものがぶち壊しになったり、恥を掻くことにもなります。

※関西経済連合会機関誌『経済人』2009年7月号「ちょっとひといき」欄に寄稿した内容に加筆しました。

 

◆オープンキャンパス

○オープンキャンパス2009
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090807_1.htm

○京都大学・大阪大学・神戸大学合同大学説明会2009 in 広島・大阪
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090802_2.htm

◆plaited polyhedra(編まれた多面体)

 5月からplaited polyhedraについて紹介している塚本です。今月が2回目です。
 plaited polyhedraとは、編まれた多面体と言う意味で、私が紹介するのは、その中でも同じ形の部品をいくつか編み合わせて作るものです。
 今回は菱形三十面体の設計図を用意いたしました。作り方は前回の菱形十二面体とほぼ同じですが、少し難しくなっております。

  • 作り方
    設計図を厚紙など(薄い紙だと作りにくいため)に印刷し、実線で切ります。切る前、折り線(破線)にハサミなどでキズを入れると折りやすくなります。6本の紙紐が切り出せたら、折り線ですべて山折りにします。
    準備は以上です。
    あとは編むだけですが、いくつかの注意点を挙げておきます。
    ルール1:隣り合う菱形には違う色が表にでます。
    ルール2:各頂点の周りには、鈍角が3つまたは鋭角が5つ集まります。
    ルール3:すべての紙は一周し、両端が組しろ2つ分重なります。
    コツ:紙の真ん中付近から編みましょう。

    ※設計図はこちらからご覧ください。
    http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/back_n/images/vol37_2.jpg

 私個人の活動で、この菱形三十面体の材料を約20色用意して、他の人にその中から6色選んでもらう、ということをしております。その色で編み合わせたものをプレゼントする代わりに、出来上がりの写真を撮らせてもらうのです。現在、そのデータが100人分ほどありますので、その一部を今回の見本に採用させていただきました。
設計図の画像を編集する際の参考にしていただければ幸いです。


◆大学の動き◆

○第10回APRU博士課程学生会議を開催しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2009/090710_1.htm

○「京都大学東京オフィス」の開設について
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2009/090717_1.htm

○2009年京都大学東京大学総合対校戦の開会式を開催しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2009/090620_2.htm

○京都大学ボート部:第60回東京大学・京都大学対校競漕大会を開催しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2009/090621_1.htm

○松本紘総長がAPRU第13回年次学長会議に出席しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2009/090630_1.htm

○祇園祭船鉾保存会から船鉾の車輪および車軸を寄託されました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2009/090703_2.htm

○第2回湯川・朝永奨励賞授賞者を決定しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2009/090708_1.htm

○助成金等採択結果等
・文部科学省 平成21年度「国際化拠点整備事業(グローバル30)」に採択されました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2009/090703_3.htm
 
 
◆研究成果◆

○3次元フォトニック結晶の「表面」における光制御に成功
  -優れた信号処理能力を持つ光回路や高感度バイオセンサーなどの実現に道-
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/090716_2.htm

○四本の手をもつ金属原子の磁性の変換に成功
  -磁気記録、スイッチ素子の革新につながるか-
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/090721_1.htm

○新しい研究領域「霊長類考古学」の成立
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/090716_1.htm

○iPS細胞樹立に用いる体細胞の由来とその移植安全性の関係をマウスで評価、検証
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/090710_2.htm

○ヒトの顔知覚様式の進化の起源-3000万年前にはすでに獲得-
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/090710_1.htm

○抗癌剤タキソールのナノ・ミサイル療法を考案
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/090630_1.htm

○精子幹細胞からの生殖細胞腫瘍モデルの作製に成功
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/090703_1.htm

○世界最大震動台による縮小RC橋脚16体の一斉加震実験
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/090618_1.htm

○超小型ファイバーレーザーシステムをもちいて 高強度テラヘルツ電磁波の発生に成功
  -実用的なテラヘルツバイオ動画イメージング装置の実現が可能に-
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2009/090625_1.htm

◆イベントのお知らせ◆

○地球環境学堂公開講座 「貸し借りということ」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090727_1.htm

○【本学所属の若手研究者(修士学生以上)】サイエンスカフェ~Cafe Common~『遺伝子組換え食品』
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090728_1.htm

○第5回 NEDO光集積ラボラトリー公開セミナー
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090730_1.htm

○京都大学放射性同位元素総合センター体験授業「放射線って何だろう?」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090807_2.htm

○第10回生命科学と社会のコミュニケーション研究会「一緒に見よう、な! -生命科学を視覚化する-」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090806_1.htm

○京都大学大学院情報学研究科平成21年度公開講座 「いきものと情報学」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090808_1.htm

○第51回 インクルーシブデザイン・ワークショップ 「動物園の真ん中でインクルーシブカフェをする」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090818_1.htm

○第6回 NEDO光集積ラボラトリー公開セミナー
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090827_1.htm 

○京都からの提言 これからの社会のために -子どもたちに伝えたいこと-
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2009/090829_1.htm


 >>その他のイベント情報はこちらをご覧ください。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja?c2=1

 

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