「藤多仁生奨学金」を創設し贈呈式を行いました。(2020年7月30日)

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薬学研究科では、「藤多仁生奨学金」を創設し、第一回奨学生に対する贈呈式を行いました。

「藤多仁生奨学金」は、故・藤多哲朗 名誉教授およびご家族による寄附と、藤多名誉教授の遺志に基づき、薬学研究者を志す博士課程学生への経済支援を目的に創設されました。博士課程で学ぶ学生のための環境整備を一層推進するため、年間1,500万円規模の給付型奨学金を10年にわたって継続する予定です。

藤多名誉教授は、本学薬学部教授時代に冬虫夏草とよばれる菌類から免疫抑制作用を示す物質を発見しました。その後、本学と台糖株式会社(現・三井製糖株式会社)および吉富製薬株式会社(現・田辺三菱製薬株式会社)との産学連携研究により、多発性硬化症の世界初の経口治療薬となるフィンゴリモド(医療用医薬品名:ジレニア、イムセラ)を開発しました。この薬は世界中の多発性硬化症に苦しむ患者の助けとなっています。藤多名誉教授は、日頃、創薬を目指す若い学生の養成が大事であり、人と協力して知恵と技術を出し合いながら行う研究が重要であると述べていました。

このたび、藤多名誉教授の薬学研究に対する情熱を承継するかのような優れた研究計画を提案した、博士後期課程および博士課程の学生25名を第一回奨学生として選考し、贈呈式を行いました。

贈呈式の様子(左から、加藤博章 薬学研究科長と本奨学生代表2名)