佐藤 矩行理学研究科教授が紫綬褒章を受章(2006年4月29日)

佐藤 矩行理学研究科教授が紫綬褒章を受章(2006年4月29日)
佐藤教授の写真

佐藤 矩行教授は、昭和48年9月に東京大学大学院理学研究科博士課程を中退し(昭和49年東京大学理学博士)、同年10月に京都大学理学部助手(動物学教室)、昭和55年に同助教授、平成6年に同教授となり、大学院理学研究科生物科学専攻動物学系動物科学講座を担当して現在に至っています。平成16年4月より21世紀COEプログラム「生物多様性研究の統合のための拠点形成」のリーダーとして理学教育および研究を推進しています。学外では、日本動物学会副会長、文部科学省科学技術・学術審議会専門委員、日本学術会議連携会員などを通して、我が国の学術の振興に寄与しています。

佐藤教授は発生生物学および動物ゲノム科学の領域で顕著な業績を挙げ、この領域における著書および論文は300編に及んでいます。これまでの研究としては、(1)脊索動物ホヤの発生関連遺伝子の発現と機能をゲノムワイドに研究し、近代的な発生生物学研究システムとしてのホヤを確立したこと、(2)脊索動物の起源と進化に関連して、ホヤ、ナメクジウオ、ギボシムシなどを対象に、脊索形成の分子メカニズムを解明したこと、(3)日米の共同研究を主宰し、ホヤのゲノムを解読し、他の動物のゲノムとの比較により、脊索動物および脊椎動物の起源と進化の際に起こったと思われる遺伝子的変化を明らかにしたこと、などが挙げられます。これらの研究は、いずれにおいてもその分野の基盤を形成し、動物の進化発生生物学と発生ゲノム科学に大きな影響を及ぼし、また、この分野をリードしています。

これら一連の業績に対して、平成3年に日本動物学会賞、同5年に井上学術賞、同16年度に東レ科学技術賞、日本進化学会木村資生記念学術賞、同17年度にアレキサンダー・コワレフスキーメダルを受賞されています。

理学研究科