◎京都大学特定認定再生医療等委員会規程

平成31年3月29日

総長裁定制定

(設置)

第1条 京都大学(以下「本学」という。)に、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号。以下「法」という。)第26条第1項に定める再生医療等委員会として、京都大学特定認定再生医療等委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(定義)

第2条 この規程における用語の定義は、法その他関係法令の定めるところによる。

(審査等の対象)

第3条 委員会の業務は、法に定める区分に従い、次の各号に掲げる再生医療等提供計画を対象とする。

(1) 第一種再生医療等提供計画

(2) 第二種再生医療等提供計画

(3) 第三種再生医療等提供計画であって、京都大学が当該再生医療等提供計画に基づいて第三種再生医療等を提供するもの

(業務)

第4条 委員会は、次に掲げる業務(以下「審査等業務」という。)を行う。

(1) 法第4条第2項(法第5条第2項において準用する場合を含む。)の規定により再生医療等を提供しようとする病院若しくは診療所又は再生医療等提供機関の管理者から再生医療等提供計画について意見を求められた場合において、当該再生医療等提供計画について、再生医療等提供基準に照らして審査を行い、当該管理者に対し、再生医療等の提供の適否及び提供に当たって留意すべき事項について意見を述べること。

(2) 法第17条第1項の規定により再生医療等提供機関の管理者から再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病、障害若しくは死亡又は感染症の発生に関する事項について報告を受けた場合において、必要があると認めるときは、当該管理者に対し、その原因の究明及び講ずべき措置について意見を述べること。

(3) 法第20条第1項の規定により再生医療等提供機関の管理者から再生医療等の提供の状況について報告を受けた場合において、必要があると認めるときは、当該管理者に対し、その再生医療等の提供に当たって留意すべき事項若しくは改善すべき事項について意見を述べ、又はその再生医療等の提供を中止すべき旨の意見を述べること。

(4) 前3号に掲げる業務のほか、再生医療等技術の安全性の確保等その他再生医療等の適正な提供のため必要があると認めるときは、委員会の名称が記載された再生医療等提供計画に係る再生医療等提供機関の管理者に対し、当該再生医療等提供計画に記載された事項に関し意見を述べること。

2 委員会は、前項各号に掲げる業務を行った場合、当該再生医療等提供機関の管理者に対し、継続的に意見を述べるものとする。

(構成)

第5条 委員会は、次の各号に掲げる委員で組織する。ただし、各号に掲げる者は、当該各号に掲げる者以外の者を兼ねることはできない。

(1) 分子生物学、細胞生物学、遺伝学、臨床薬理学又は病理学の専門家

(2) 再生医療等について十分な科学的知見及び医療上の識見を有する者

(3) 臨床医(現に診療に従事している医師又は歯科医師をいう。)

(4) 細胞培養加工に関する識見を有する者

(5) 医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家

(6) 生命倫理に関する識見を有する者

(7) 生物統計その他の臨床研究に関する識見を有する者

(8) 前各号に掲げる者以外の一般の立場の者

2 委員会は、次の要件を満たしていなければならない。

(1) 男性及び女性がそれぞれ2名以上含まれていること。

(2) 本学との利害関係を有しない者が2名以上含まれていること。

(3) 同一の医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)に所属する者が、委員の総数の半数未満であること。

3 第1項各号の委員は、総長が委嘱する。この場合において、総長は、委員会が倫理的観点から審査等業務を行うに鑑み、十分な社会的信用を有する者に委員を委嘱するものとする。

4 第1項各号の委員の任期は、原則2年の範囲内で、総長が定める。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 第1項各号の委員は、再任されることがある。

(委員長)

第6条 委員会に、委員長を置き、委員の互選により定める。

2 委員長の任期は、2年以内とし、再任を妨げない。

3 委員長は委員会を招集し、議長となる。

4 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長の指名する委員が、その職務を代行する。

(技術専門員)

第7条 委員長は、次の各号に掲げる専門家のうちから、技術専門員を指名する。

(1) 審査等業務の対象となる疾患領域の専門家

(2) 生物統計の専門家その他の再生医療等の特色に応じた専門家

2 委員会は、第4条第1項第1号に規定する業務(法第5条第2項において準用する法第4条第2項の規定により意見を求められた場合において意見を述べる業務を除く。)を行うに当たっては、技術専門員からの評価書を確認しなければならない。

3 委員会は、前項以外の審査等業務を行うに当たっては、必要に応じ、技術専門員の意見を聴かなければならない。

(議事の運営)

第8条 委員会は、次の各号に掲げる要件を満たさなければ、開催することができない。

(1) 5名以上の委員が出席していること。

(2) 男性及び女性の委員が各2名以上出席していること。

(3) 第5条第1項第2号第4号及び第8号の委員が各1名以上出席していること。

(4) 第5条第1項第5号又は第6号の委員がいずれか1名以上出席していること。

(5) 出席した委員のうち、審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)と利害関係を有しない委員が過半数であること。

(6) 本学と利害関係を有しない委員が2名以上出席していること。

2 前項の規定にかかわらず、第3条第3号の再生医療等提供計画に係る審査等業務を行う場合は、委員会は、次の各号に掲げる要件を満たすことにより、開催することができる。この場合において、第3号の委員が医師又は歯科医師であるときは、第4号の要件を満たすものとみなす。

(1) 5名以上の委員が出席していること。

(2) 男性及び女性の委員が各1名以上出席していること。

(3) 医学又は医療の専門家であって、再生医療等について十分な科学的知見及び医療上の識見を有する委員が1名以上出席していること。

(4) 医学又は医療の専門家であって、医師又は歯科医師である委員が1名以上出席していること。

(5) 医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家又は生命倫理に関する識見を有する者である委員が1名以上出席していること。

(6) 前3号に掲げる委員以外の一般の立場の者である委員が1名以上出席していること。

(7) 出席した委員のうち、審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関(当該医療機関と密接な関係を有するものを含む。)と利害関係を有しない委員が過半数であること。

(8) 本学と利害関係を有しない委員が2名以上出席していること。

3 審査等業務に、次の各号のいずれかに該当する委員又は技術専門員は参加してはならない。

(1) 審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関の管理者、当該再生医療等提供計画に記載された再生医療等を行う医師又は歯科医師及び実施責任者

(2) 審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関の管理者、当該再生医療等提供計画に記載された再生医療等を行う医師若しくは歯科医師又は実施責任者と同一の医療機関の診療科に属する者又は過去1年以内に多施設で実施される共同研究(臨床研究法(平成29年法律第16号)第2条第2項に規定する特定臨床研究に該当するもの及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第17項に規定する治験のうち、医師又は歯科医師が自ら実施するものに限る。)を実施していた者

(3) 前2号に掲げる者のほか、審査等業務の対象となる再生医療等提供計画を提出した医療機関の管理者、当該再生医療等提供計画に記載された再生医療等を行う医師若しくは歯科医師若しくは実施責任者又は審査等業務の対象となる再生医療等に関与する特定細胞加工物製造事業者若しくは医薬品等製造販売業者若しくはその特殊関係者と密接な関係を有している者であって、当該審査等業務に参加することが適切でない者

4 前項各号のいずれかに該当する委員又は技術専門員は、委員会の求めに応じて、委員会において説明することができる。

5 委員会における審査等業務に係る結論を得るに当たっては、出席委員全員から意見を聴いた上で、原則として、出席委員の全員一致をもって行うよう努めるものとする。ただし、委員会において議論を尽くしても、出席委員全員の意見が一致しないときは、出席委員の過半数の同意を得た意見を委員会の結論とする。

6 前項の場合においては、全委員の意見聴取が困難なときであっても、少なくとも、第5条第1項第8号の委員の意見を聴くよう配慮するものとする。

7 委員会における審査等業務に係る結論は、「適」、「不適」又は「継続審査」のいずれかとする。

(簡便の審査及び緊急の審査)

第9条 第7条第2項及び第3項並びに前条第1項及び第2項の規定にかかわらず、委員会は、次の各号に掲げるいずれかの要件を満たすものを行う場合には、委員会を開催することなく、委員長及び委員長が指名する1名の委員による審査等業務により、結論を得ることができる。

(1) 審査等業務の対象となるものが、再生医療等の提供に重要な影響を与えないものである場合であって、委員会の指示に従って対応するものである場合

(2) 第4条第1項第2号又は第4号に規定する業務を行う場合であって、再生医療等を受ける者の保護の観点から緊急に当該再生医療等の提供の中止その他の措置を講ずる必要がある場合

2 前項第2号の場合においては、後日、前条第5項の規定に基づき、委員会の結論を得るものとする。

(厚生労働大臣への報告)

第10条 総長は、委員会が再生医療等提供計画に記載された再生医療等の提供を継続することが適当でない旨の意見を述べたとき及び再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(平成26年厚生労働省令第110号)第20条の2第4項の規定により意見を求められた場合に意見を述べたときは、遅滞なく、厚生労働大臣にその旨を報告しなければならない。

(手数料)

第11条 委員会は、審査等業務に関して再生医療等提供機関の管理者から手数料を徴収することができる。なお、手数料の額は、委員会の健全な運営に必要な費用に照らして合理的な範囲で別途定める。

(委員会の廃止)

第12条 総長は、委員会を廃止しようとする場合、医学部附属病院倫理支援部を通じて、委員会に再生医療等提供計画を提出していた医療機関にその旨を通知するとともに、厚生労働大臣に届け出るものとする。

2 前項の届出に当たっては、あらかじめ近畿厚生局に相談するものとする。

(委員会の廃止後の手続)

第13条 総長は、委員会を廃止したときは、医学部附属病院倫理支援部を通じて、速やかに、その旨を委員会に再生医療等提供計画を提出していた医療機関に通知するものとする。

2 前項の場合において、総長は、委員会に再生医療等提供計画を提出していた医療機関に対し、当該医療機関における再生医療等の提供又はその継続に影響を及ぼさないよう、他の認定再生医療等委員会を紹介することその他の適切な措置を講じなければならない。

(委員等の教育又は研修)

第14条 総長は、年1回以上、委員会の委員、技術専門員及び運営に係る事務を行う者(以下「委員等」という。)に対し、再生医療等に係る教育又は研修を受けさせ、その受講状況を管理しなければならない。ただし、委員等が既に総長が実施する教育又は研修と同等の教育又は研修を受けていることが確認できる場合は、この限りではない。

(帳簿の備付け等)

第15条 総長は、委員会が審査等業務に関する事項を記録するための帳簿を備え、最終の記載の日から10年間保存しなければならない。

2 前項の帳簿には、審査等業務の対象となった再生医療等ごとに、次に掲げる事項を記載する。

(1) 審査等業務の対象となった再生医療等提供計画を提出した医療機関の管理者(多施設共同研究の場合は代表管理者。以下「医療機関の管理者等」という。)の氏名及び医療機関の名称

(2) 審査等業務を行った年月日

(3) 審査等業務の対象となった再生医療等の名称

(4) 第4条第1項第1号の意見を述べた場合には、審査の対象となった再生医療等提供計画の概要

(5) 法第17条第1項又は法第20条第1項の報告があった場合には、報告の内容

(6) 第4条第1項第4号の意見を述べた場合には、再生医療等技術の安全性の確保等その他再生医療等の適正な提供のために必要があると判断した理由

(7) 述べた意見の内容

(8) 第4条第1項第1号の意見を述べた場合には、医療機関の管理者等が厚生労働大臣又は地方厚生局長に審査等業務の対象となった再生医療等提供計画を提出した年月日

(記録等の公表及び保存)

第16条 総長は、委員会における次の各号に掲げる事項を含む委員会の開催ごとの審査等業務の過程に関する記録を作成し、その概要(個人情報、研究の独創性及び知的財産権の保護に支障を生じるおそれのある事項を除く。)を、委員会のホームページで公表しなければならない。

(1) 開催日時

(2) 開催場所

(3) 議題

(4) 再生医療等提供計画を提出した医療機関の管理者等の氏名及び再生医療等の提供を行う医療機関の名称

(5) 審査等業務の対象となった再生医療等提供計画を受け取った年月日

(6) 審査等業務に出席した者の氏名及び評価書を提出した技術専門員の氏名

(7) 各委員及び技術専門員の審議案件ごとの審査等業務への関与に関する状況(審査等業務に参加できない者が、委員会の求めに応じて意見を述べた場合は、その事実と理由を含む。)

(8) 結論及びその理由(出席委員の過半数の同意を得た意見を委員会の結論とした場合には、賛成・反対・棄権の数)を含む議論の内容(議論の内容については、質疑応答などのやりとりが分かる内容)

2 この規程、委員名簿その他委員会の認定に関する事項及び前項の記録に関する事項については、厚生労働省が整備するデータベースに記録することにより公表するものとする。

3 総長は、審査等業務に係る再生医療等提供計画その他の審査等業務を行うために提供機関管理者から提出された書類、前項の記録(技術専門員からの評価書を含む。)及び委員会の結論を提供機関管理者に通知した文書の写しを、当該再生医療等提供計画に係る再生医療等の提供が終了した日から10年間保存するものとする。

4 総長は、委員会の認定に係る申請書の写し、当該申請書の添付書類、この規程及び委員名簿を、委員会の廃止後10年間保存するものとする。

5 この規程を改正した場合、当該改正前の規程を、当該改正前の規程に基づき審査等業務を行った全ての再生医療等の提供が終了した日から10年間保存するものとする。

6 委員会の委員に変更があった場合、当該変更前の委員名簿を、当該変更前の委員会において審査等業務を行った全ての再生医療等の提供が終了した日から10年間保存するものとする。

(運営に関する情報の公表)

第17条 総長は、再生医療等を提供しようとする医療機関の管理者又は提供機関管理者が、委員会に関する情報を容易に収集し、効率的に審査等業務を依頼することができるよう、委員会の審査手数料、開催日程及び受付状況を公表しなければならない。

(秘密の保持)

第18条 委員会の委員及び委員会の審査等業務に従事する者は、審査資料についての守秘義務に関する誓約書を総長に提出しなければならない。

2 委員会の委員若しくは委員会の審査等業務に従事する者又はこれらの者であった者は、正当な理由なく当該審査等業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(苦情相談窓口)

第19条 委員会は、再生医療等の提供に関する苦情及び問合せを受け付けるための窓口を設置する。

(事務)

第20条 委員会に関する事務は、医学部附属病院倫理支援部及び研究推進部において処理する。

2 前項により委員会に関する事務を処理する者は、委員会の審査等業務に参加してはならない。

(令2.3.31裁・一部改正)

(雑則)

第21条 この規程に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、別に定める。

1 この規程は、平成31年4月1日から施行する。

2 第8条第1項第2項及び第5項の規定にかかわらず、再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則及び臨床研究法施行規則の一部を改正する省令(平成30年厚生労働省令第140号)附則第2条第1項の規定による再生医療等提供計画の変更についての第4条第1項第1号に規定する業務は、書面により行うことができる。

(令和2年3月総長裁定)

この規程は、令和2年4月1日から施行する。

京都大学特定認定再生医療等委員会規程

平成31年3月29日 総長裁定制定

(令和2年4月1日施行)