○国立大学法人京都大学債権管理要領

平成16年4月1日

財務担当理事裁定制定

(目的)

第1条 この要領は、国立大学法人京都大学会計規程及び国立大学法人京都大学会計実施規則に定める債権の管理に関する事務手続の概要を定め、本学の債権管理の適正を期することを目的とする。

(定義)

第2条 この要領において「債権」とは金銭の給付を目的とする本学の権利をいう。

2 この要領において「債権の管理に関する事務」とは、本学の業務によって生じる債権の管理に関する全ての事務をいう。

(債権管理)

第3条 債権の管理は、財務部長が行うものとする。ただし、医学部附属病院における患者負担分に係る債権の管理は医学部附属病院経理責任者に委任するものとする。

2 前項の医学部附属病院経理責任者が管理する債権の管理要領は別に定める。

3 経理責任者は、財務部長に債権の管理について必要と認められる事項を報告しなければならない。

(債権の発生)

第4条 財務部長は、債権が発生した場合には、債権管理に必要な事項を、適時かつ適切に帳簿等に記載又は記録しなければならない。

(帳簿等)

第5条 前条の帳簿等には以下の事項を記載又は記録するものとする。

(1) 債務者の住所及び氏名又は名称

(2) 債権金額

(3) 債権の発生日

(4) 入金期限

(5) 債権の種類

(6) その他必要な事項

(請求)

第6条 経理責任者は、債権の代金を適時に請求しなければならない。

2 前項の請求は、会計実施規則第14条第1項に定める所定の請求書等により行うものとする。

3 会計実施規則第14条第2項に定める他の方法とは、寄宿料等について掲示により請求することのほか、学内負担金(施設使用料等)を本学の科学研究費助成事業等預り金により支払う場合において、通知書等により請求することをいう。

4 入金期限は、別に定めのある場合を除き、請求書発行日から起算して1ヶ月後の日とする。

5 前項にかかわらず、宿舎、国際交流会館及び共同研究員宿泊所等で、月額使用料を定めた施設の使用に係る債権の入金期限は毎月、その月の末日とする。

(債権の消込)

第7条 財務部長は、入金記録に基づいて、適時かつ適切に債権の消込処理を行わなければならない。

(債権の変更)

第8条 財務部長は、債権の内容を変更すべき事実が生じた場合には、適時かつ適切に債権の変更内容を帳簿等に記載又は記録しなければならない。

(残高照会)

第9条 財務部長は、必要に応じて債務者に債権残高を照会し、その結果、差異が生じた場合にはその原因を調査し、調査結果及び対応策を差異報告書により財務担当の理事(以下、「財務担当理事」という。)に速やかに報告しなければならない。

(滞留管理)

第10条 財務部長は、毎月、入金期限を経過した債権(以下、「滞留債権」という。)について内容を調査し、滞留債権の状況を的確に把握するものとする。

2 財務部長は、半期毎に滞留債権の回収計画を策定すると共に、財務担当理事に滞留債権の状況を報告するものとする。

(督促)

第11条 財務部長は、入金期限までに収納されない債権についての督促は、原則として所定の督促状(様式1)によって行うものとする。ただし、必要に応じ、口頭又は適宜の文書をもって行うことができる。

2 経理責任者は、債権に関する事項について財務部長と連絡調整のうえ、債権の回収に努めなければならない。

(債権保全手続)

第12条 財務部長は、重要な債権について債務者に信用悪化の事実が認められる場合には、必要に応じて、速やかに関係経理責任者へ以下の手続を依頼するとともに、財務担当理事にその結果を報告しなければならない。

(1) 債務者財産の保全手続

(2) 未収入金残高の確認

(3) 未払金残高の調査

(4) 相殺手続

2 次の事実が認められる場合には、信用が悪化したものとする。

(1) 未収入金の支払いの督促に当たって、具体的な誠意が認められない場合

(2) 支払いの猶予および引延しを求められた場合

(3) 事実上の倒産又は破産状態にある場合

(債権放棄)

第13条 財務部長は、以下の場合には、債権放棄を行うことができる。

(1) 債務者及び保証人が個人である場合

 自己破産し配当が終了したとき。

 行方不明となり5年以上経過したとき。

 死亡したとき。

(2) 債務者又は保証人が法人の場合には、清算事務が終了したとき。

(3) 督促を行ったにもかかわらず、支払期日の翌日から1年以上経過しても支払がなされず、かつ、債権残高が回収費用にみあわない程度に僅少なとき。

(4) 当該債権の消滅時効が完成し、かつ、債務者及び保証人がその援用をする見込みであるとき。

(5) その他債権の回収が著しく困難であると財務担当理事が認めたとき。

2 財務部長は、前項に基づき債権放棄を行う場合には、債権放棄申請書(様式2)を財務担当理事に提出し、その承認を得なければならない。

(償却処理)

第14条 財務部長は、前条に基づき債権放棄をした場合には、債権残高の償却処理を行わなければならない。

(引当金の設定)

第15条 財務部長は、債権の回収可能性を検討の上、回収不能見込額を合理的に見積り、引当金を設定しなければならない。

2 回収不能見込額は、原則として、同種の債権毎に、過去の貸倒実績率により貸倒見積高として算定する。

3 貸倒実績率は、算定対象事業年度における貸倒損失合計額を分子とし、その前事業年度末における債権残高を分母として算定する。

4 決算期末に保有する債権について適用する貸倒実績率を算定するに当たっては、当該事業年度を最終年度とする算定期間を含むそれ以前の3年間の貸倒実績率の平均値による。

(債権の区分)

第16条 財務部長は、前条にかかわらず、他の方法により貸倒見積高を算定することが適当と認められる場合には、債権を、債務者の経済状態等に応じて、一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権等の3つに区分し、各区分毎に貸倒見積高を算定する。

2 前項の各区分の定義は以下の通りである。

(1) 一般債権とは、経済状態等に重大な問題が生じていない債務者に対する債権であり、貸倒懸念債権及び破産更生債権等以外の債権をいう。

(2) 貸倒懸念債権とは、経営破綻等の状況には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか又は生じる可能性の高い債務者に対する債権をいう。

(3) 破産更生債権等とは、経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権をいう。

(一般債権の評価)

第17条 一般債権については、第15条に準じて貸倒見積高を算定する。

(貸倒懸念債権の評価)

第18条 貸倒懸念債権については、担保又は保証が付されている債権について、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の経済状態等を考慮して貸倒見積高を算定する。

2 債務者の経済状態等に関する判断に資する資料の入手が困難な場合は、担保の処分見込額及び保証による回収見込額を控除した残額の50%を引当て、次年度以降において、毎期見直すこととする。

3 担保の処分見込額を求めるに当たっては、合理的に算定した時価に基づくとともに、当該担保の信用度、流通性及び時価の変動の可能性を考慮する。

4 保証による回収見込額を求めるに当たっては、保証人の資産状況等から保証人が保証能力を有しているか否かを判断するとともに、保証意思の確認、法人にあっては保証契約など保証履行の確実性について検討する。

(破産更生債権等の評価)

第19条 破産更生債権等については、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高とする。

2 清算配当等により回収が可能と認められる金額は、担保の処分可能見込額及び保証による回収見込額と同様に債権額から減額することができる。

3 担保及び保証の取り扱いについては、前条第3項及び第4項に準ずる。

(遅延損害金)

第20条 債務者の責めに帰すべき事由により、定められた入金期限を経過して代価の支払いがなされない場合は、別に定めのある場合を除き、その債権残高に対し年3%の割合で計算した金額を遅延損害金として、その期限の翌日から支払をする日までの日数に応じて日割りで債務者に請求することができるものとする。

2 前項の規定により計算した遅延損害金の額が100円未満であるときは、債務者にその請求を行わないものとする。また、前項の規定により計算した遅延損害金の額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てることができるものとする。

3 授業料、寄宿料及び附属病院の療養費に係る債権については、遅延損害金を免除することができる。

(相殺)

第21条 財務部長は、特に必要と認められる場合には、債務者から徴収すべき金額とそのものに支払うべき金額を相殺する契約を締結することができる。

2 財務部長は、前項の契約を締結する場合には、財務担当理事の承認を得なければならない。

この要領は、平成16年4月1日から適用する。

〔中間の改正要領の附則は、省略した。〕

1 この要領は、令和2年1月1日から実施する。

2 改正後の第20条第1項に規定する債権残高に対する割合は、入金期限が令和2年3月31日以後の債権について適用し、入金期限が同日前の債権については年5%とする。

1 この要領は、令和2年4月1日から実施する。

2 改正後の第13条第1項第1号イの規定は、行方不明となった時点が令和2年4月1日以後の場合に適用し、同日前の場合については、なお従前の例による。

この要領は、令和4年7月25日から実施し、令和4年4月1日から適用する。

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国立大学法人京都大学債権管理要領

平成16年4月1日 財務担当理事裁定制定

(令和4年7月25日施行)

体系情報
第7編
沿革情報
平成16年4月1日 財務担当理事裁定制定
平成17年9月1日 財務担当理事裁定
平成18年4月1日 財務担当理事裁定
平成23年3月31日 財務担当理事裁定
平成29年9月21日 財務担当理事裁定
令和元年5月7日 財務担当理事裁定
令和元年12月12日 財務担当理事裁定
令和2年2月10日 財務担当理事裁定
令和4年7月25日 財務担当理事裁定