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退職教授懇談会 挨拶 (2008年4月4日)

尾池 和夫

ご定年でご退職の先生方は、63歳でご定年ですから、1944年頃のお生まれです。日本の激動期で、西南日本の地震活動期のピークでした。1943年の鳥取地震、1944年の東南海地震、1945年三河地震、1946年南海地震、そして1948年福井地震と立て続けに起こり、大震災が続きました。ちょうど太平洋戦争の終戦の前後であります。また、帝国大学から新制の国立大学になったときでもありました。そして1949年に初めてのノーベル賞が湯川秀樹博士に授与されました。

京都大学は1897年の創立ですが、その頃が西南日本の地震活動期の始まりで、その活動期がピークになって終わる頃に新制の大学になったわけです。

 
東谷公 工学研究科教授

ご定年の数年前になって、国立大学は法人化するという大きな変革期を迎えました。これも新しい西南日本の地震活動期が始まった頃ということになって、日本の激動期と地震活動期が妙に重なってきます。ちなみに安政時代に1854年の安政東海地震と安政南海地震が32時間おいて発生して、江戸時代が終わりました。

私も皆さま方より数年上の世代ですから、60年安保のときに学生時代を過ごし、70年安保の頃には防災研究所にいて、宇治のグラウンドで入学試験を行う前日の夜警にかり出されておりました。

お陰様でようやく歩行中禁煙のキャンパスになりましたが、今年度からは健康管理を一段と進めることになりました。喫煙も体重も話題になっています。

木村崇 人間・環境学研究科教授

元総長の井村裕夫先生が最近出された著書、『進化医学からわかる肥満・糖尿病・寿命』(岩波書店)の帯には、「メタボリック・シンドロームを生命進化の歴史から読み解く」とあり、裏表紙には洋梨とリンゴのイラストがあります。「一番美味しいと感じるのはアブラなんですよ」といつも話してくださいますが、脂肪の美味しさを関知する仕組みは、長い間、謎とされてきたのが、最近少しはわかってきたそうです。

いずれにしても、今後とも健康に気をつけられて、後輩の指導も続けていただき、京都大学の発展を引き続き支えていただきたいと思います。とくに中央でのさまざまの仕事を積極的にこなしてほしいと思いますし、世界を舞台にますますのご活躍をお祈り申し上げます。

岡穆宏 化学研究所教授

昔、野口英世は京都大学から学位を受けました。また彼をノーベル賞候補に推薦したのは京都大学の教授たちです。しかし、亡くなったために、賞は実現しませんでした。

ノーベル賞は生きている人でないともらえません。先生方も、ぜひ長生きして、ノーベル賞を待ってくださるようお願いして、私のお礼の言葉といたします。

長い間、教育、研究、社会貢献に成果をあげていただき、ありがとうございました。