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名誉教授称号授与式 挨拶 (2008年4月4日) 

尾池 和夫

今回、名誉教授の称号を授与されたのは、48名の方々です。まことにおめでとうございます。本日、第1738号までが授与されました。

今年入学する学部生は、3018名、大学院修士課程には2210名、修士課程(専門職)には368名、博士課程には915名が入学します。

2008年3月25日卒業式では、2777名の卒業生を送り出しました。京都帝国大学の第1回の卒業式は、1900年(明治33年)7月14日、土木工学18名、機械工学11名の計29名の卒業でした。今年で、卒業生の累計は17万9667名になりました。

3月24日の午前には、京都大学修士2147名、修士(専門職)127名、法務博士(専門職)190名の学位授与式がありました。京都大学が授与した修士の累計は5万6967名、修士(専門職)の累計は200名、法務博士(専門職)の累計は514名、公共政策修士(専門職)の学位は今回が初めてでした。

午後には、博士の授与式があり、589名の京都大学博士、課程博士526名、論文博士63名に学位記を渡しました。京都帝国大学の時代に旧制博士学位9651名があり、総計で京都大学から授与された博士学位は3万5902名になりました。

いずれの学位授与式にも、今日、名誉教授になられた先生方に教えを受けた学生たちがたくさんおりました。

先生方のご努力で、京都大学のさまざまのことが進展しています。今日はその中で、機関リポジトリのことをとりあげたいと思います。京都大学機関リポジトリの 愛称は「KURENAI」と決まりました。「Kyoto University Repository for Navigating Academic Information」の略だそうです。学術情報の海を航海するにあたっての羅針盤としてのリポジトリです。京都大学が研究機関として、その知的生産物 を電子的形態で集積し保存し、公開するための電子アーカイブです。

博士学位論文は、工学研究科で平成19年度より、「学位論文審査願」提出と同時に、リポジトリへの登録申請書および学位論文の電子ファイルを提出できるようになりました。

山中伸弥教授の研究グループによるiPS細胞樹立に関する論文の著者原稿も、京都大学学術情報リポジトリに登録、公開されました。2007年11月に発表され、世界中に大きなインパクトを与えたものです。

昨年9月12日、京都大学学術情報リポジトリの収録論文が1万件を突破したと伝えられました。1万件目の収録論文は、理学研究科物理学・宇宙物理学専攻の吉川研一先生と大学院生の樋口祐次さん、ニューヨーク市立大学のChwen-Yang Shewさんの共著論文でした。

その他、『哲学論叢』、『健康科学』、『京都大学数理解析研究所講究録』、『人文学報』、『ZINBUN』、『物理化学の進歩』、『The Review of physical chemistry of Japan』などが収録されています。

私の本も少し入れていただきました。30年前に出て絶版になったNHKブックスも、古本屋では数千円になっていますが、その内容も出していただきました。アクセス数などの報告も届けられて、たいへん便利なシステムだと感謝しています。今年度、専任の教員をつけて附属図書館を教員組織を持つ部局といたします。

これは一つの例ですが、先生方のご努力で、京都大学は常に活動を続け、一歩ずつ前進し、その中には数々の世界一といえる研究の拠点が形成され、先端の教育が行われています。

毎年、この季節には、時計台の前の樟の葉が紅くなって、ぱらぱらと落ちますが、一方で樟の若葉がいっぱいです。この季節に学生も、教員も、職員も去る人と入ってくる人とがいて、大学全体としては常に活発に動いています。樟落葉あるいは常磐木落葉は俳句の季語です。また、樟若葉も俳句の季語としてよく詠まれます。

先生方を落葉と詠むのは申し訳ないので、若葉の季語を詠みましたので贈りたいと思います。

 樟大樹若葉にゆづり空を舞ふ  和夫

ますますお元気で、京都大学名誉教授として世界の舞台でさらなるご活躍をいただきたいと思います。

本日は、名誉教授称号授与まことにおめでとうございます。

お知らせ 「名誉教授称号授与式を実施」